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タイ王国との交流活動

議会が築く交流の歴史

2006

バンコク都と福岡県が友好提携

麻生渡知事(当時)とバンコク都知事により両県都の友好提携締結。双方の議会でも友好提携締結を目指して協議が進む

2007

バンコク都議会と友好相互交流等で調印

福岡県議会タイ友好議連の藤田陽三会長とサワッチャイバンコク都議会議長(役職は当時)により両議会の友好相互交流等で調印

2014

消防自動車をバンコク都に寄贈

福岡県内で運用を終えた状態の良い消防自動車をバンコク都に10台、ナコンシータマラート県に2台寄贈

2016

タイ環境省と環境協力協定締結

タイ天然資源環境省と福岡県が環境協力協定を締結。前年には先行してナコンラチャシマ県に「福岡方式」による廃棄物処分場が竣工

2018

タイ総領事館が福岡に設置

県議会とタイ友好議連の働きかけで国内2か所目のタイ総領事館が福岡に設置。県議会主導の外国総領事館誘致は全国でも異例の成果

2024

ワンヘルス推進への合意書締結

タイと日本の獣医師会の連携協定を受けワンヘルス推進の基本合意をバンコク都と福岡県及びバンコク都議会と福岡県議会間で締結

2025

チェンマイ県の国立公園に桜植樹

タイ総領事館誘致におけるバンコク都議会等の絶大な協力に感謝し、タイ人が愛してやまない桜150本をチェンマイ県の国立公園に植樹


Message

キットポン・チャーチューキットクンさんの写真(左)

元 バンコク都議会議長
​キットポン・チャーチューキットクン(左)

略歴:福岡県議会とタイ王国バンコク都議会の友好提携締結に多大な貢献を果たし、現在も日タイの懸け橋としてコーディネーターを務める。右は吉村敏男 福岡県議会国際交流コーディネーター。

交流のキーパーソンからのコメント

2007年1月16日にバンコク都議会が福岡県議会との友好提携を締結したことは、バンコクと福岡の関係を飛躍的に発展させる大きな原動力となりました。とりわけ福岡県議会は、早い段階から国対国の関係とは別に福岡対各国地域との国際交流の重要性を見据え、我がバンコク都議会との関係も議会外交を通じて粘り強く信頼を築いてこられました。その先見性と継続的な努力に対し、私は深い敬意を抱いています。
実際に、この20年間でタイ及びバンコク都との行政、経済、文化、人材交流など、あらゆる分野での交流が大きく前進した背景には、福岡県議会の果たした役割が極めて大きいと感じています。特に、長年にわたる悲願であったタイ王国総領事館の福岡開設は、福岡県議会タイ友好議連の当時の会長であった吉村敏男氏をはじめとする関係者の熱意と尽力が実を結んだ象徴的な成果でした。これにより、両地域の結びつきは一層強まり、ビジネス面でも新たな可能性が大きく広がりました。
今、タイ福岡総領事館は、両地域間の関係強化に貢献するだけでなく、交流人口の大幅な拡大と幅広いビジネス関係の構築においても重要な役割を担っています。
私がこの20年間の両議会の交流の中で感じたことは、福岡県議会の対外交流は単なる友好の確認にとどまらず、交流を具体的な成果へと結びつける力を持った議会であるという点で高く評価しています。福岡とバンコク、さらには日本とタイの関係、両国の発展と両地域の人々の活躍は、今後も福岡県議会のリーダーシップの下で、さらに実りあるものになっていくと確信しています。


議会が築いた交流が、
県民の利益につながっています

福岡県議会とバンコク都議会の交流が生み出してきた成果

2006年の福岡県とバンコク都の友好提携に続いて2007年1月、福岡県議会はバンコク都議会と友好提携を結び(新型コロナウイルスが猛威を振るった3年間を除き)活発な相互訪問など交流を重ねてきました。この相互訪問は形だけの表敬訪問ではなく議員同士の個人的関係を積み重ねる中、お互いの人間的信頼を高めることに意を用いてきました。その結果、バンコク都への消防自動車の寄贈、タイ環境省との環境協力協定の締結、福岡タイフェアの開催、タイ王国福岡総領事館の開設、両県都および両議会のワンヘルス推進に関する合意書締結、そしてタイ・チェンマイの国立公園への桜植樹など相互交流における成果を築きあげてきました。

議会の交流がなぜ県民の生活に役立つのか

県議会タイ友好議連とバンコク都議会をはじめとするタイ王国との海外交流事業は、友好提携の理念の下に取り交わした相互訪問に係る協定などに基づき、現地からの招聘(要請)に応じて執り行われています。県民の皆様にとっては、一見して物見遊山の訪問のように感じられるかもしれません。しかし実際にはこのホームページでお伝えしているとおり、福岡の魅力や強みの発信による観光客の増大やビジネス交流の活発化、都市課題の解決に役立つ技術や制度の共有、県産品の販路拡大等を通じた地域経済の活性化などに役立てるための活動を、訪問期間中に絶え間なく取り組んでおり、こうした活動の成果が県民の皆様の利益につながっています。

交流が形になった大きな成果

タイ王国総領事館の開設

県内には従来、タイ王国観光庁福岡事務所とタイ王国貿易センター福岡事務所の2か所のタイ王国の政府機関がありましたが、2017年1月から3月にかけ相次いで閉鎖されることになりました。これに対し県議会およびタイ議連は両事務所の再設置ではなく「総領事館の開設を目指す」方針をかかげ取組を進めました。しかし、いち地方議会が外国の行政機関を誘致することは容易ではなく難航を極めましたが、親交を深めたバンコク都議会元議長数名の尽力により当時のソムキット副首相、ドーン外相に直接面会して要請することが出来、その結果2018年10月に大阪に次いで2番目の総領事館が開設されました。これは、いち地方議会が日本の外務省や現地大使館の支援をいっさい受けずに実現できたという極めて画期的なことでした。これはまた、福岡が九州・西日本における重要な地域としてアジアで認められていることを示すものです。

直行便の就航で、福岡とタイがより身近に

福岡―バンコク間は1992年からタイ国際航空が毎日1往復していましたが2018年の総領事館の開設を機に2往復に増便され、2019年2月にはライオンエアーも就航し、福岡―バンコク間の人と物の往来は日を追うごとに活発になりました。しかし2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的まん延により全て運休となりました。その後コロナ禍が去った2023年7月のべトジェットエアの就航を皮切りにタイ国際航空、エアアジアが相次いで就航し、以前にも増して人と物の往来が活発化しています。今後は引き続きべトジェットエアに対し福岡―チェンマイ便の就航の取組を実現すべく取り組んでいます。

実を結ばなかった交流―高校生の修学旅行

県議会タイ友好議連はバンコク都との交流で様々な取組を行いましたが、一つだけ残念な結果に終わったのは、県内高校生のタイへの修学旅行実現です。2012年頃から取組を進め、2013年には県立高校校長会において、タイ航空やタイ観光庁福岡事務所の説明会を開催して5~6校が興味を示し、実現が前進していました。その矢先、2014年5月にタイで軍事クーデターが発生し、タイは危険との認識が急速に広まって、結局この取組はストップしてしまいました。極めて残念な結果で、毎日3社が福岡―バンコク間の往復航空便を運航している今こそ、必ず再チャレンジを果たさなければならないと考えています。

県議会主導で消防自動車を寄贈

その他の主な取組として、バンコク都への消防自動車の寄贈があります。日本の消防自動車はおおむね15年で耐用年数を終えて廃車となりますが、年数が経っていても状態の良好なものが大半です。当時バンコク都で、欧州から輸入した消防自動車が諸事情により大量に放置されていたことを知り、県議会では、福岡県内で耐用年数を終えたものの状態の良い消防自動車を、2014年以降、バンコク都へ10台、ナコンシータマラート県に2台贈り、タイ国民の安全確保に寄与しています。

タイ王国との交流活動の写真1

柳川高校付属タイ中学校の開校

2016年5月、タイ南部ナコンシータマラート県に柳川高校タイ中学校が開校しました。福岡県、県議会及びタイ友好議連は福岡県の高校生の国際交流の推進・拡大のため同中学校の竣工式や入学式等に出席し、同校の現地での円滑・順調な運営基盤の確立に向け支援を続けています。また、同中学校の開設に全面的協力をいただいたナコンシータマラート市へ感謝の意を込めて、開校式に合わせ消防自動車を2台寄贈しました。

地域経済に返ってくる交流

文化と経済の交流の大きな起点に

友好提携締結10周年の節目には、タイ・バンコク都で福岡の食材や特産品などを紹介する福岡フェアが開催され、以降、定期的に開催が続いています。こうした取組は、議会間交流が地域の魅力発信にまでつながっていることを示しています。福岡の農産物や食品、観光資源、文化を海外に知ってもらうことは、県内事業者にとって新たな販路や商機につながる可能性があります。また、福岡県においても毎年バンコクフェアが開かれ、両国の文化交流、経済交流の重要な機会となっています。

交流人口の増加と地域経済への影響

直行便の就航により2024年現在、タイから10万2560人が福岡を訪問*1し、これは総領事館開設前の2017年に比べ3倍近くとなっています。これらにより県内の宿泊、飲食、交通、土産物などに新たな需要を生み出し、地域経済の活性化につながっています。また福岡―タイ間の2024年の貿易額は輸出が22億円余り、輸入が24億円余り*2で、2017年に比べてそれぞれ約1.6倍に増加しています。また福岡からタイに進出した企業は35社(52事業所)*3で、県内企業の国際ビジネスチャンス増大にも寄与しています。

桜植樹でタイへの恩返しを

県議会タイ友好議連では、福岡におけるタイ王国総領事館設置において全面協力をいただいたバンコク都議会元議長ほかの皆さんに感謝の気持ちを込めて、タイ政府関係者とタイ北部チェンマイ県の協力を得ながら、2025年2月にタイ人の大好きな桜をチェンマイ市の国立公園の高地(開花に必要な条件にまで気温が下がる場所)に150本植樹しました。うまく樹木が当地の気候に適合してこの取組が成功すれば、全体で1000本の桜を植えてチェンマイを桜の名所にし、末永く感謝の気持ちを伝えられればと考えています。
議会の交流は、単に「仲良くすること」が目的ではありません。福岡の強みを海外に伝え、地域経済に返ってくる流れをつくることにも大きな意義があります。

政策にも生かされる交流

環境分野での連携

交流は、具体的な政策連携にも発展しています。バンコク都と福岡県の間ではゴミ処理施設に関する技術提携が結ばれ、また2016年にはタイ天然資源環境省と福岡県が環境協力協定を締結するなど「福岡方式」と呼ばれる福岡県の廃棄物対策の技術がタイで活用される取組も進められています。これは、福岡県が持つ行政ノウハウや技術力が海外でも評価されていることを示すものです。さらにタイ側からは福岡県の持つ下水道処理技術の活用にも大きな期待が寄せられています。
また、海外の大都市が抱える課題や対応から学ぶことは福岡県の政策をさらに磨いていくうえでも大きな意味があります。海外交流は外に向けた発信であると同時に、福岡の行政力を高める学びの機会でもあります。

高齢化問題に関わる協力

バンコク都では高齢化が進んでおり、介護問題や健康の維持が大きな課題となっています。これらの対策に寄与するため県議会ではタイ音楽によるストレッチの要素を取り入れた運動のDVD作成を提案し、ロコモティブシンドロームや認知症を予防する健康増進プロジェクトとして2017年に実現しました。3か年の事業期間終了後はバンコク都がこの事業を引き継いで展開しています。今後この運動が広く愛用され、タイの皆さんの介護予防や健康づくりに貢献することを期待しています。

未来につながる新たな協力

ワンヘルスの広がり

福岡県が推進する、人の健康、動物の健康、環境の健全性を一体として捉える「ワンヘルス」の考え方に賛同したタイ獣医師会が日本獣医師会と連携協定を締結。これを受け、バンコク都と福岡県、バンコク都議会と福岡県議会の間でも、ワンヘルスの推進について合意書を取り交わしています。こうした取組によって期待されるものの一例が、タイで現在、非常に大きな問題となっている人と動物の共通感染症である狂犬病の封じ込めです。タイ国内で喫緊の課題であるこの狂犬病対策には、県と共に県議会が全面的に協力していく決意です。
ワンヘルスは、感染症対策のみならず、食の安全、環境保全など、これからの時代に重要な視点です。福岡県が進めてきた理念や取組が海外に広がり、国際的な共感と連携につながっていることは、福岡の先進性を示す大きな成果の一つといえます。

タイ王国との交流活動の写真2

まとめ

福岡県議会が進めてきたバンコク都議会との交流は、長年の信頼関係の積み重ねによって、総領事館の設置による人的・物的交流の拡大、直行便の増便、地域の魅力発信、環境分野の技術連携、ワンヘルスの国際的な広がりなど、さまざまな形で実を結んできました。
こうした成果は、県民の皆様の暮らしと無関係ではありません。交流人口の拡大、地域経済の活性化、福岡の国際的な存在感の向上、そして将来の政策課題に備える知見の蓄積――その一つひとつが、福岡県の将来に返ってくる大きな財産です。
福岡県議会タイ友好議連は、これからもバンコク都議会との交流を通じて、福岡の強みを生かし、県民の利益につながる実りある関係づくりを進めていきます。

出典:
*1法務省「出入国管理統計」
*2門司税関「九州経済圏各県別の貿易」令和6年分
*3公益財団法人九州経済調査協会「九州・山口の海外進出」

今後の交流活動については、福岡県議会ウェブサイトを通じて、随時情報発信を行ってまいります。​


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