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令和7年6月定例会の知事議案説明要旨
当初提出議案(令和7年6月10日)
本日ここに、第12回福岡県議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。
まず、藏内勇夫議長の全国都道府県議会議長会会長への御就任を心からお慶び申し上げます。福岡県からの会長就任は史上初めてであり、大変嬉しく思います。
藏内議長は、長年にわたり福岡県議会を牽引してこられ、また、「九州の自立を考える会」の会長として、真の地方分権型社会の実現に向けた政策提言などに積極的に取り組まれています。
私たちは、今、非常に複雑かつ困難で、しかも先送りできない様々な課題に直面しています。地方自治体が、これらの課題に真正面から取り組み、乗り越えていくためには、二元代表制の一翼を担う議会としっかりと連携し、対応していくことが必要です。
藏内議長におかれては、全国の都道府県議会の声をしっかりと受け止め、その声を国政に届け、地方が抱える課題の解決に果敢に取り組んでいただくことを期待しております。
このたびの議会は、令和7年度当初予算をはじめ、多くの重要な案件についてご審議をお願いするものであります。
議案の説明に先立ち、まず県政運営に関する私の所信を申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様のご理解と、より一層のご協力をお願い申し上げる次第です。
現在、我が国は、米国の関税措置をはじめ、安全保障、外交、経済などの分野において、かつてなく厳しく、かつ混迷する国際情勢の中におかれています。
内を見れば、私たちは超少子高齢社会の只中にあり、人口減少の影響により、多くの分野で人手不足が顕在化しております。あわせて、エネルギー・食料品価格等の高騰が続く中、経済が成長していくためには、中小企業の持続的な賃上げを実現し、賃金と物価の好循環を生み出すことが必要です。また、頻発する自然災害や新興感染症への備えなど、先送りできない課題が山積しています。
県民の皆様の命を、健康を、生活を守ることを第一に取り組む、この私の考えは一貫して変わることはありません。令和7年度を迎えるにあたり、私は、県内各地を巡り、県民の皆様から、直接、たくさんのご指摘や切実な声をお伺いしました。これをしっかりと受け止め、愛する福岡県の、未来への「礎」となる施策を力強く展開してまいります。
まず、「人を育て、人を惹きつけるまちをつくる」です。
全ての礎はやはり「人」であります。福岡県が飛躍・発展する礎を築くためには、福岡県の大切な財である人をしっかりと育てていかなければなりません。
出会い・結婚、出産、育児など、それぞれのライフステージに合わせた切れ目のない支援に取り組むとともに、未来を拓くこどもたちが、県内どこでも、安全に、健康に、充実した教育を受けられる環境を整備してまいります。さらに、自らの可能性に気づき、自らの内にある無限の力を信じて、夢に向かってチャレンジする青少年を応援します。
また、女性の起業や新たな職業分野への挑戦を全力で応援するとともに、年齢や障がいの有無、国籍を問わず、すべての人の活躍を応援します。あわせて、看護師、保育士をはじめ、社会生活を支えていただく方々の育成に取り組みます。
そして、スポーツや文化芸術の力で、人とまちを元気にし、人が育つ礎となる「住みつづけたい、住んでみたいまち」をつくってまいります。
次に、「産業を育て、はたらく場を広げる」です。
本県の経済発展の原動力であり、県内雇用の8割を担う中小企業が、持続的な賃上げを実現し、人材を確保できるよう、適正な価格転嫁を推進するとともに、中小企業のDXを強力に進め、収益力を向上させてまいります。同時に、新製品の開発や海外展開など、中小企業の意欲的な取組を支援します。
さらに、本年4月、ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)がアジア2か所目となる拠点施設を本県に開設しました。この「CIC Fukuoka」の中に、福岡県として初めてのスタートアップ支援拠点である「グローバルコネクト福岡」を開設しました。ここを拠点に世界中から企業や資金、人材などが福岡県に集積し、さらなるスタートアップの創出や成長につながるグローバルなエコシステムの形成を推進してまいります。
半導体分野において、既存の研究機関を改組し、研究開発支援体制を強化するなど、半導体、自動車、水素の「グリーン成長プロジェクト」を推進し、経済と環境の好循環を生み出すとともに、世界で勝負できる先端技術産業の創出を加速してまいります。
本県の基幹産業である農林水産業については、経営規模の拡大や生産性の向上に向け、生産構造を見直すとともに、ブランド化を推進し、付加価値を高めてまいります。これにより、若い人たちが夢をもって参入し、将来にわたって持続的に生産を担っていく、強く、そして稼げる農林水産業を実現します。
本県を訪れる観光客にとって、最大の魅力は「食」です。「食の王国・福岡」の魅力を発信し、国内外から県内各地への誘客を図り、裾野の広い観光産業の振興を図ってまいります。
さらに、今後の産業発展の礎である、産業人材の育成に取り組むとともに、道路、空港、港湾などの交通インフラや企業誘致の受け皿となる産業用地の整備など、社会資本整備を戦略的に進めてまいります。
最後に、「健全な環境と、安全・安心なくらしを守る」です。
本県は、「平成29年7月九州北部豪雨」以降、毎年のように大雨災害に見舞われています。また、新型コロナについても、いまだに感染の波を繰り返しています。地球温暖化に伴う気候変動の影響から県民の皆様の命と暮らしを守っていかなければなりません。
県民の皆様一人ひとりが、生活の中で実践されている、健全な環境を守り、未来につなぐ活動を後押しするとともに、脱炭素社会の実現に向け、取り組んでまいります。
そして、人と動物と地球環境の健康バランスを持続的に保つ「ワンヘルス」の取組を、みんなで推進するとともに、今後起こりうる災害に備え、防災・減災に向けた対策をソフト、ハードの両面で強化してまいります。
昨今、県内でも高齢者を狙った凶悪な犯罪や幼いこどもが巻き込まれる痛ましい交通事故が発生しています。犯罪を防ぎ、県民の皆様のくらしの「礎」である生活の安全を守ってまいります。
引き続き、医療・介護の提供体制を確保し、地域との連携を深め、質の向上を図るとともに、困難を抱える人が安全・安心に暮らせるよう支援してまいります。
あわせて、行政DXや職場改善を進め、県庁の生産性を向上させることで、県民サービスの充実を図ってまいります。
私は、福岡県に暮らす全ての方々にとって、よりよい県となるよう、持てる力の限りを尽くしてまいります。大人もこどももたくさんの笑顔で安心して暮らせる福岡県、そして、九州、日本の発展をリードしていくことができる福岡県を実現してまいります。
ここで、令和7年度当初予算について、ご説明申し上げます。
令和7年度当初予算においては、未来への礎を築き、飛躍・発展する福岡県の実現に向け、先ほど申し上げました3つの柱に基づく施策を力強く展開してまいります。
併せて、財政の健全化を着実に推進するため、「財政改革プラン2022」に沿ったメリハリの効いた予算編成を行いました。
令和7年度当初予算の規模は、
一般会計で2兆1877億8200万円余、
特別会計の総額で1兆1266億7300万円余、
企業会計の総額で485億6900万円余
であります。
一般会計の予算規模は、前年度当初予算比で2.6%の増となっております。
歳出予算については、保育士の処遇改善による保育給付費負担金の増等により、社会保障費が、208億円の増となっております。
また、県税等の増加に伴い、税関連市町村交付金等が394億円増加しております。
一方、県制度融資に係る預託金の減など行政施策費が、195億円の減となっております。
歳入予算については、法人2税が堅調であることから、県税等が785億円の増となっております。
一方、県債については、地方財政計画において、臨時財政対策債の新規発行額がなくなったことなどから、83億円の減となりました。
歳出予算の主要施策について、ご説明申し上げます。
最初に、「人を育て、人を惹きつけるまちをつくる」であります。
「『出会い』を創出し、『結婚』、『妊娠・出産』を応援」では、趣味等をテーマに気軽に参加できる若者の交流の場「福岡ふらっとカフェ」を県内4地域で開催し、若者の出会い・結婚を応援します。
中高生が、こどもを産み育てることや家族を持つことをイメージできるよう、乳幼児とのふれあい体験に取り組む学校と保育所等とのマッチングを行います。
妊産婦のこころの健康を守るため、県内4地域に拠点病院を設置し、地域において適切なメンタルヘルスケアを受けられるよう、医療機関と行政機関とのネットワーク体制を整備します。
「『子育て』を応援」では、多子世帯の経済的負担が大きいことや、3人以上の子育て世帯が減少していることを踏まえ、第1子の年齢や保護者の所得に関係なく、第3子以降の全てのこどもの保育料を無償化することを目指し、無償化に取り組む市町村に対する県独自の補助制度を創設します。
男性の育児休業取得率を100%とする目標を掲げた中小企業の一般事業主行動計画策定に係る費用を助成します。また、家事・育児の実践事例などを掲載した「パパノートブック」を作成するとともに、パパ専用子育て相談窓口を開設し、育児休業を取り、共育てをする「よかパパ」を応援します。
市町村の5歳児健診を推進するため、小児科医が不足する地域へ医師を派遣する仕組みをつくるとともに、医師が運動機能異常や多動・不注意など健診で診るべきポイントを習得するための研修を実施します。
放課後児童クラブの支援員確保と児童への支援を強化するため、クラブと支援員とのマッチングやクラブの魅力を紹介する動画の配信を行うとともに、配慮を必要とする児童への支援方法等を助言するアドバイザーを派遣します。
「『こども』の健やかな成長を応援」では、「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」において実施している、仕事や科学、工作など様々な体験ができるフェスティバルを、福岡地域に加え、県内3地域でも開催いたします。
また、幼児期から高校生までの各世代を対象とした外国人留学生との交流事業や海外体験事業を通して、国際的な視野と多様性を備えた人財を育成します。
近年の危険な猛暑から生徒や災害時に避難される方の健康を守るため、全ての県立高校の体育館や特別教室、食堂・厨房へのエアコンの設置を早急に進めてまいります。今年度は、設置に向けた設計等に取り組み、令和11年度までの設置完了を目指します。
また、県立高校や特別支援学校のトイレに温水洗浄便座を設置し、快適な学校環境の整備を推進してまいります。
「『若者』の挑戦を応援」では、高校生がアントレプレナーシップを学ぶタイ・バンコク都との交流プログラムや、大学生等を対象とした日本語教育分野におけるベトナム・ハノイ市との交流プログラムを実施し、グローバルに活躍できる人材を育成いたします。
また、大学生等が、国連ハビタット福岡本部の海外プロジェクト管理研修を通じて、国連機関やグローバル企業で必要とされるマネジメント能力や英語運用能力を身に付ける人材育成プログラムを実施します。
「『女性』の活躍を応援」では、女性役員候補者の人脈形成や経営層の意識改革を図るフォーラム「福岡BOARD倶楽部」を開設し、女性の社内役員登用を推進します。
女性が健康で長く働き、活躍できるよう、女性の健康課題の専門家を企業に派遣するとともに、自身の健康について正しく理解し、活用するための情報をSNSで発信します。
未来を担う女性農業者の活躍を応援するため、女性農業者が能力を発揮するための技術研修や、固定的な性別役割分担意識を解消するための農業者向けワークショップを開催します。
ジェンダー平等を推進するため、若手経営者によるワークショップを開催するとともに、ジェンダーギャップの気付き、取組に関するフォトメッセージ・動画コンテストを実施します。
「年齢や障がいの有無、国籍を問わず『すべての人』の活躍を応援」では、不本意に非正規雇用労働に置かれている就職氷河期世代の正規就労を支援するため、職業体験付きの合同企業説明会を開催するとともに、高等技術専門校で最先端技術訓練を行うためのカリキュラムを作成します。
誰もが生涯現役で働き続けられるよう、企業に対し、高齢者雇用のための人事・給与に関するセミナーを開催するとともに、50歳代の在職者に対し、定年後、次のキャリアへスムーズに移行するための個別相談を行います。
障がいのある人の収入向上のため、高単価で多くの仕事が期待できるIT業務の共同受注体制を強化し、受注拡大を図ります。同時に、作業マニュアルの作成や研修の実施により、障がい者施設のIT業務への対応力向上を図ってまいります。
外国人とその家族が安全・快適に暮らし、活躍できる環境を整備するため「FUKUOKA IS OPENセンター」の機能を拡充し、生活に密接した教育・住宅・医療の分野への多言語サポートを充実するとともに、相談用チャットボットを整備します。
「社会を支える『担い手』を育成」では、看護学生の県内就業を促進するため、看護師等修学資金貸付金の貸与対象を大学生や高校の看護専攻科の生徒に拡大します。
また、子育て等で看護の現場を離れた方を対象に、復職に向けた実践的な研修「『カムバ』ナース応援プログラム」を実施し、看護職員の復職を後押しします。
訪問介護サービスを安定的に提供するため、複数事業者合同での採用活動や、経験豊富な訪問介護員による経験年数が短い訪問介護員との同行訪問に取り組む事業者を支援いたします。
保育士が働きやすい職場づくりを支援するため、パワハラ防止や持ち帰り残業をなくすなどの職場環境改善や魅力的な求人情報の発信について助言を行うアドバイザーを派遣します。
物流の分野において、極めて深刻なトラック運転手不足の状況を改善するため、休憩室の整備や輸送効率化システムの導入など運転手が働きやすい職場環境の整備に取り組む事業者を支援してまいります。
「県民の『健康』づくりを推進」では、ふくおか健康づくり事業所として宣言する企業を拡大するため、優良事例の紹介や宣言企業によるウォーキングラリーを実施し、認知度向上に取り組みます。また、各保険者が行う特定健診の受診勧奨や市町村が行う骨折予防対策を支援し、県民の健康寿命の延伸を図ります。
妊婦と乳幼児に対する歯と口の健康づくりを推進するため、むし歯や歯周病のリスクが高まる妊娠期に歯科健診を受診するよう勧奨するとともに、「話す」、「噛む」、「飲み込む」といった乳幼児期における口の発達を促す動画の制作を行います。
「『スポーツ』の力で、人とまちを元気にする」では、アクシオン福岡を拠点に海外選手の招へい・育成と、海外選手との交流やスポーツ医科学を活用して県内アスリートの強化育成を図る国内最高峰のトレーニングセンター、いわば、「インターナショナルトレーニングセンター」の構想を推進します。
「アジアBMX選手権」、「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」、「WDSF世界ブレイキン選手権2025久留米」を開催し、こどもたちにトップレベルの競技を間近で体感する機会を提供します。
国際サイクルロードレース「マイナビツール・ド・九州2025」を開催するとともに、BMXパフォーマンスや、大会コースを巡り地域の食と文化を体感できるファンライドを実施し、サイクルスポーツのファン層の拡大や地域の活性化を図ります。
中学校部活動の地域移行に向け、地域クラブの運営団体との連携が難しい、指導者がいないといった市町村の課題を解消するため、知識や経験を有する地域クラブ活動推進アドバイザーを市町村に派遣します。また、教職員に代わる指導者を養成するための研修や、地域クラブと指導者のマッチングを行う人材バンクの設置を行います。
「『文化芸術』の力で、人とまちを元気にする」では、文化芸術活動の担い手を育成・支援する「福岡県アーツカウンシル(仮称)」の設立検討委員会を設置するとともに、芸術活動に対する支援を行い、若手芸術家の新たなチャレンジを応援します。
本県の新たな文化芸術の拠点となる新県立美術館の整備に向け、実施設計等に取り組んでまいります。
開館20周年を迎える九州国立博物館において、県内各地の祭・伝統行事の公演等の記念事業を実施いたします。
こども食堂において、こどもたちに文化芸術を体験する機会を提供するため、文化芸術ワークショップを開催するコーディネーターを育成します。
「『住みつづけたい、住んでみたいまち』をつくる」では、一人一花運動を推進し、美しく、心豊かに暮らせる魅力あるまちをつくるため、「花による美しいまちづくりのコーディネーター」である石原和幸氏と連携し、市町村の特色を活かした花壇の整備を支援します。また、花壇の維持管理を行うボランティア団体へのスコップ、肥料等の支援に取り組みます。
障がいの有無に関わらず、全てのこどもたちが一緒に遊べるインクルーシブ遊具を東公園や北九州市の中央公園に整備するとともに、誰もが自由な形で遊べる大屋根を備えた広場を筑後広域公園に整備します。
外見からは障がいがあることが分かりにくい方に対する合理的配慮の実践例を紹介する動画を配信するとともに、手話通訳者養成研修に模擬試験形式による実技演習を追加し、資格取得を支援してまいります。
移住希望者に対し2地域居住など空き家の活用に関する情報を発信するとともに、空き家を購入する若年・子育て世帯に対しリノベーション費用を助成し、空き家を活用した移住を推進します。
公共交通の空白地域を解消するため、コミュニティバスの市町村域を越えた広域運行や公共ライドシェアの導入等について、市町村間の調整や研修会、専門アドバイザー派遣を実施し、市町村の取組を2年間集中的に支援してまいります。
また、人材確保に取り組むバス・タクシー事業者が行う働きやすい職場環境の整備を支援し、地域公共交通の維持・確保を図ってまいります。
県境を越えて定住自立圏を形成する豊築・有明地域の振興のため、ぐるなび「ミセメディア」を活用した首都圏での豊築地域フェアを実施するとともに、県境を越えたモデル事業として、熊本県と共同でeスポーツイベントを開催いたします。
次に、「産業を育て、はたらく場を広げる」であります。
「県経済の原動力『中小企業』の成長を支援」では、賃金と物価の好循環を実現するため、「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結した13団体が連携し、中小企業における更なる取引適正化や機運の醸成を図る「価格転嫁円滑化推進フォーラム」を開催するとともに、業界ごとの特性を踏まえた講習会を実施します。
中小企業の収益力向上を図り、従業員の持続的な賃上げを推進するため、「福岡県中小企業生産性向上支援センター」を「福岡県中小企業DX推進センター」にリニューアルし、生産プロセス等のDXに取り組む中小企業を伴走支援してまいります。
中小企業の経営基盤の強化に向け、簡易経営診断や早期経営改善計画の策定を支援することにより、中小企業の持続的な賃上げを推進します。
新たな事業展開に果敢に挑戦する「未来にはばたく中小企業」に対し、新商品開発・販路拡大のための専門家による伴走支援や、新商品開発費への助成を行います。
中小企業における外国人材の確保・定着を進めるため、企業の魅力発信や居住環境の整備を支援します。
県制度融資においては、中小企業の資金繰り支援に必要な融資枠を十分に確保するとともに、米国関税対策特別融資を新たに実施することで、企業の一層の経営安定を図ってまいります。
「成長の起爆剤となる『スタートアップ』を育成」では、先月開設した県のスタートアップ支援拠点「グローバルコネクト福岡」において、大企業、海外スタートアップとのビジネスマッチングイベント「グローバルコネクトスパークデイ」や、スタートアップの資金調達や販路拡大につなげる「F★Pitch」を開催することで、国内外のスタートアップや投資家、企業を集積させ、スタートアップエコシステムの形成を推進してまいります。
「金融・資産運用特区」として、アジアを代表する国際金融都市であるシンガポールで開催される展示会への出展や海外の資産運用会社等の本県への招へいを行い、国際金融機能の形成を加速してまいります。
また、ディープテックやIT分野等のスタートアップをはじめとした新規創業企業の成長を後押しするため、県制度融資に創業2年目から5年目までを対象とする成長支援資金を創設し、企業の円滑な資金調達を支援します。
「経済と環境の好循環『グリーン成長プロジェクト』を推進」では、「学生フォーミュラ」に参加する県内大学生を対象に、先進技術に関する講演会や県内企業との交流会を実施し、先進モビリティの開発・生産人材を育成・確保してまいります。
また、こどもたちの先進モビリティに対する興味関心を醸成するため、「ジャパンモビリティショー福岡2025」において、車づくりを学ぶ体験・学習イベントや県内で生産している車両の展示・試乗を実施いたします。
半導体産業では、県内企業の技術を活用できる後工程を中心とした支援に注力し、生産拠点化を目指してまいります。
三次元半導体研究センターと社会システム実証センターを「福岡超集積半導体ソリューションセンター(仮称)」に統合し、新製品開発・新技術創出につながる企業への支援を強化いたします。これにより、県内企業の取引拡大と半導体関連企業の更なる集積を図ってまいります。
また、企業の半導体後工程に関連した新製品開発に対する助成や半導体産業への新規参入に向けたセミナーを行うとともに、半導体後工程に係る技術人材を育成してまいります。
国の「燃料電池商用車の導入促進に関する重点地域」に本県が選定されたことを契機に、安定的に大量の水素需要をもたらす大型FCトラックなどのFC商用車の導入をさらに推進するため、運送事業者を対象とした試乗会や既存燃料と水素価格の差額助成を行います。
また、水素ステーションの運営事業者に対する運営支援を行ってまいります。
地産地消型の水素製造プロジェクトの事業可能性調査に対する支援を行い、水素の活用を県内各地に展開してまいります。
「世界で勝負できる『先端技術産業』の創出を加速」では、民間創業支援施設内に福岡バイオコミュニティ相談窓口を設置するとともに、バイオスタートアップと大学、製薬企業等をつなぐネットワーキングの開催を支援し、バイオスタートアップエコシステムの形成を推進してまいります。
ロケット、人工衛星など分野ごとの専門家「宇宙ビジネスプロモーター」がJAXAと連携し、県内企業の宇宙ビジネス参入・拡大を支援します。また、アジア・太平洋地域の宇宙関連政府機関等が一堂に会する大規模国際会議の本県への誘致に取り組み、宇宙ビジネスの振興を図ってまいります。
「福岡県未来ITスタートアップアワード」を創設し、福岡のIT産業をけん引する革新的なIT技術やビジネスプランを一体的に掘り起こすとともに、受賞企業を支援することで、イノベーションの創出を推進します。
「生産力を強化し、『強い農林水産業』を実現」では、経営の大規模化や生産性の向上に向け、生産構造を見直すとともに、ブランド化を推進し、収益力の向上を図ってまいります。
農業では、農業従事者が高齢化し、また、減少する中、将来にわたって持続的な生産を担う企業型経営体への転換を後押しするため、経営判断能力を高める研修や、実効性のある経営計画作成を支援します。同時に、農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約を進めるとともに、経営面積の拡大や生産性の向上に必要な支援を行うことにより、企業型経営体が中心となる強い農業構造を確立してまいります。
漁業では、ノリ養殖の強い生産構造を確立するため、収穫作業が省力化できる高性能漁船に適したノリ小間配置の見直しや、有明海の海況予測システムの活用、法人化に向けたアドバイザー派遣等に取り組みます。
林業では、収益力の向上に向け、ICT高性能林業機械の普及や成長が早い特定苗木への転換を図ります。また、県内で流通するCLTの原材料を県産木材に転換し、県産木材の新たな需要を創出します。
「あまおう」のブランド力の更なる強化を図るため、高品質な「あまおう」を生産するための栽培技術の実証や、糖度基準を設けた新たな商品規格の開発、航空機を活用した輸送体系の構築、有名料理人と連携した首都圏におけるプロモーションイベントやフェアの開催など、生産・輸送・販売を集中的に強化します。
また、環境に配慮したイチゴ増収技術の実証や県外への「あまおう」の苗の流出防止対策に取り組み、更なる競争力の強化を図ってまいります。
厳しい輸出環境を乗り越え、世界で高く売れる八女茶とするため、オーガニック茶・抹茶の生産基盤の構築や、米国・英国の高級レストランにおける海外プロモーション、両国の茶商や飲食事業者等のバイヤーの産地招へいに取り組んでまいります。
暑さに強く、いもち病にかかりにくい新しい米品種や、うま味が強く高価格での取引が期待される本県初の茶のオリジナル品種の開発に取り組み、農業競争力を強化します。
園芸農業の先端技術研究開発拠点となる「園芸ADTECセンター」の整備に向け、地質調査等を実施します。
水産業においては、豊前海における豪雨や猛暑による貧酸素水塊の発生を予測し見える化するスマート漁業の導入、筑後川・矢部川におけるアユ増殖技術の開発に取り組みます。
「販売力を強化し、『稼げる農林水産業』を実現」では、若い世代が気軽に花に親しめるよう「ワンコインブーケ」を商品化し、インフルエンサーを起用したPR等により花の販売促進を図ります。
20周年を迎える博多和牛のブランド価値をさらに高めていくため、取扱店舗における販売コーナーの強化など、消費者や流通業者に対するPRを行うとともに、生産者に対して肉質の検査や分析に基づく指導を行い、博多和牛をさらにおいしくするための肉質向上に取り組みます。
未活用の捕獲獣をペットフードとして有効活用するため、原料製造拠点を整備し、県内全域で収集・加工してまいります。
「食の王国・福岡の魅力を高め、『観光産業』を振興」では、世界のグルメ情報を発信する「ラ・リスト」の東京、パリでのイベント出展や、食を中心とした観光情報の発信により、国内外からの更なる誘客を図ります。
福岡空港国際観光案内所に「福岡の食と温泉コンシェルジュ」を設置し、外国人観光客に県内の食と温泉地を案内します。また、夜間・早朝の定期的なイベントを実施する温泉地を支援し、温泉地のにぎわいを創出し、観光客の宿泊を拡大してまいります。
イスラム圏出身のインフルエンサーによる本県観光情報の紹介や、ムスリム・ベジタリアン等が安心して利用できる飲食店情報の発信により、海外からの誘客を推進してまいります。
久留米絣の産地において、年間を通じて工房見学や製作体験ができるオープンファクトリーの体制づくりを支援します。
秋月の中心部を流れる野鳥川の伝統的河川構造物である石積み護岸や川底の石畳の再生と散策路の整備を行い、観光地としての魅力を向上させ、地域の賑わい・交流を創出してまいります。
「経済成長を支える『産業人材』を育成」では、半導体後工程を体系的に学習できる全国初の実習講座を開設し、半導体の後工程に係る技術人材を育成してまいります。
品目ごとに生産地が一体となって、スマート農業技術を活用した収益力向上に取り組むため、普及指導センターとJAの指導員を農業DX専門人材として育成します。
中高生の先端技術産業への関心を高めるため、企業等と連携し、中学校では出前授業や講演会を、県立高校では体験実習や指導者研修を実施します。
また、建設業の人手不足を解消するため、建設業の魅力を紹介する冊子を制作し、県内の中学校・高校に配布するとともに、工業高校と建設業団体とのマッチングを実施します。
「発展の基盤となる『インフラ』を整備」では、効率的な物流や企業誘致のための道路ネットワークを強化するため、貨物車両の走行経路や通行量などの交通ビッグデータを分析し、戦略的な道路整備につなげてまいります。
北九州空港の貨物拠点化を推進するため、新たに空港周辺に立地する航空貨物用施設・設備の整備費用や、生鮮貨物の首都圏への輸送費用の助成を行います。また、コロナ禍により運休・減便した旅客路線を再生するため、航空会社の新規就航や復便・増便に向けた支援を行います。
このほか、いわゆる下関北九州道路の早期整備に向けた取組を進めるとともに、産業振興や地域振興の基盤となる基幹的道路網、企業誘致の受け皿となる工業用地、地域の活力を支える港湾など、発展の基盤となるインフラの整備を行ってまいります。
最後に、「健全な環境と、安全・安心なくらしを守る」であります。
「『環境』を守り、未来につなぐ」では、生活の中のツナグ活動を後押しするため、減農薬や減化学肥料など、環境に配慮して生産されたワンヘルス認証農林水産物の認知度向上と販売拡大に取り組みます。
外食時の食品ロス削減を推進するため、食べ切れなかった料理を持ち帰る「持って帰っていいと(eat)ボックス」を飲食店に配布し、利用実態と食品ロス削減効果を調査します。
また、保護犬・保護猫のさらなる譲渡につなげるため、人に馴れさせる訓練等を行う動物愛護団体へ助成を行うとともに、動物愛護フェスティバルにおいて、譲渡推進イベントを実施し、犬猫の致死処分ゼロを維持してまいります。
嘉麻市産業廃棄物中間処理施設において、残置廃棄物による生活環境への支障のおそれを取り除くための工事や、生活環境への影響を確認するためのモニタリングを実施します。
脱炭素化を推進するため、全国に先駆けて立ち上げたGBNet福岡による使用済みEVバッテリーの資源循環モデルを構築してまいります。具体的には、中古EVのリースを通じて使用済みEVバッテリーを安定回収する実証を行うほか、県内企業がリユース蓄電池市場に参入するためのセミナーの開催、GBNet福岡参加企業によるレアメタル抽出技術の確立に対する支援を行ってまいります。
また、製造業における再生プラスチック使用のニーズと使用済プラスチックの排出状況に関する調査や、プラスチックの資源循環の枠組み構築に向けた事業者や研究機関等による研究を支援する「プラスチックRe bornプロジェクト」を実施し、環境と経済の好循環の実現を目指します。
次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の普及拡大を図るため、避難所に指定されている県立学校等の体育館の屋根への率先導入や民間事業者における導入実証への支援を行ってまいります。
「『ワンヘルス』の取組をみんなで推進」では、幼児向け絵本の作成や幼稚園教諭・保育士等へのセミナー、私立小中学校への専門家派遣などに取り組み、幼児期から学齢期におけるワンヘルス教育を推進してまいります。
また、特別支援学校の児童生徒の障がい特性に合わせたワンヘルス教育を推進するため、ドッグセラピーによる動物介在教育の効果を検証するとともに、モデル校におけるカリキュラムの開発に取り組みます。
県民の皆様にワンヘルスを自分ごととして日常の中で取り組んでいただくために、身近なワンヘルスの取組を話し合い、今後の取組を提案する「ワンヘルス未来会議」を開催します。
令和9年度中の供用開始を予定しているワンヘルスセンター内に、大人もこどももワンヘルスについて学び、体験することができる1960年代の筑後地域の里地里山や掘割等の生態系を再現した「ワンヘルス体験学習ゾーン(仮称)」の整備工事を実施いたします。
「『防災・減災』対策を強化」では、昨年度実施した9つの海域活断層の予備調査の結果と専門委員会議の意見を踏まえ、地震による被害想定調査や、津波による被害想定の基礎となる津波浸水想定の調査を行うとともに、「ふくおか防災ナビ・まもるくん」に地域別想定震度を掲載します。
災害時に支援を要する方の円滑かつ迅速な避難のため、住民・事業所等が連携して防災活動を行うための地区防災計画を作成する自主防災組織を支援します。
ジェンダー平等の視点をもって災害に対応できる人材を育成するため、ジェンダー平等の視点を踏まえた避難所運営の実動訓練や市町村が行う防災訓練への講師派遣を行います。
また、災害等による停電時に在宅人工呼吸器を使用されている方の命を守るため、非常用電源の購入を支援します。
違法又は危険な盛土による土砂災害から県民の生命、身体、財産を守るため、ドローン画像解析ソフトや可搬式カメラ等を導入し、市町村や関係機関と連携した監視体制の強化に取り組んでまいります。
頻発する局地的な大雨等による浸水被害を軽減するため、自然環境を活用した道路を整備し、効果を実証することで、県内へグリーンインフラの取組を拡大してまいります。
また、来年度に実施を予定しております国・沖縄県・九州山口各県との国民保護共同実動・図上訓練に向け、避難住民の受入れ基本要領を作成いたします。
災害に備えた上下水道の連携を強化するため、国、県、水道・下水道関係団体からなる連絡調整会議を開催するとともに、上下水道の施設情報をまとめたデジタル地図を作製し、広域的な支援体制の強化を図ります。
また、道路、河川等の復旧や河川拡幅などの災害防止対策を推進し、被災地の復旧・復興に全力を挙げてまいります。
「犯罪を防ぎ、『生活の安全』を守る」では、ニセ電話詐欺等の被害を防ぐため、県警防犯アプリ「みまもっち」に各種詐欺の手口を疑似体験できる機能や闇バイトへの加担防止対策ページを設けるとともに、被疑者の早期検挙に向け、画像解析装置等を導入します。
高齢者や障がい者の消費者被害を防ぐため、高齢者や障がい者の見守りを行う事業所等に、消費者トラブルの実例や注意すべきポイントを紹介し、消費者被害の早期発見や注意喚起を促してまいります。
また、暴力団や匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウの壊滅に向け、引き続き徹底した取締りを行うとともに、犯罪組織から資金を剥奪するため、集団民事訴訟の提起を支援します。
NPO法人などの多様な主体と連携し、飲酒運転撲滅動画による通報義務などの啓発に取り組み、飲酒運転の撲滅を推進してまいります。
また、「自転車指導警告部隊(仮称)」を発足し、自転車運転者に対する交通安全の指導・教育を強化することで、自転車事故の防止を図ってまいります。
「地域と連携し、質の高い『医療・介護』を提供」では、認知症になっても、できること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという「新しい認知症観」の理解を促すため、フォーラムの開催や認知症施策推進計画を策定する市町村へのアドバイザー派遣等に取り組んでまいります。
「『困難を抱える人』を支援」では、地域住民・PTA・NPO等との連携により、不登校児童生徒が学習や体験活動を通じて社会的自立心を育むサポートスポットを設置し、地域総がかりで不登校児童生徒を支援してまいります。
また、小中学校の不登校児童生徒への大学生ボランティアによるオンライン支援について、こどもの心情に寄り添った支援を行うための研修や、支援内容の保護者への周知により、不登校児童生徒の社会的自立を支援してまいります。
県立学校におけるいじめ重大事態の対策を強化し、学校だけでは解決が困難な問題に対応するため、弁護士、医師等の専門家を派遣します。また、いじめ重大事態調査委員会を設置する学校に事実関係の調査や専門的知見から指導・助言を行う専門家を第三者委員として派遣します。
近年、社会問題となっている警固界隈の犯罪から、こどもや若者を守るため、被害を防ぐための動画をSNS等で配信します。また、こどもや若者一人ひとりに寄り添い、相談しやすい環境を整えるため、相談窓口の設置や公園内での声掛け等を実施するとともに、虐待等により帰る居場所がないこどもや若者の緊急避難場所として「こども若者シェルター」を設置します。
ヤングケアラーの心理的負担を軽減するため、ヤングケアラー経験者が勉強や進路、友人関係などの悩みを聞くオンラインサロン、「ヤングケアラーほっとサロン」を毎月第4土曜日の夜に開催します。
成年後見に関する相談やマッチングに取り組む市町村を支援するとともに、後見人の担い手を確保するための法人向け研修や支援困難事案に対応するための検討会を実施し、判断能力が不十分な人の権利擁護を支援してまいります。
ひきこもりに関する市町村の相談機能を強化するため、県ひきこもり地域支援センターに支援員を配置し、ひきこもり状態にある人やその家族からの相談対応を行う市町村を伴走支援してまいります。
障がいのあるこどもを地域で療育するための体制づくりに向け、県発達障がい者支援センターに市町村への助言を行うサポート職員を配置し、県内全市町村における児童発達支援センターの設置を推進します。
「『県庁の生産性』を向上し、県民サービスを充実」では、DX推進人材の計画的な育成に取り組むほか、人口偏在対策に活用するため、若年男女の人口移動のミクロデータを分析します。
また、良質な職場環境の整備により優秀な人材を確保するため、職員間のコミュニケーションの活性化や事務の効率化につながる事務室のフリーアドレス化に取り組んでまいります。
以上が、予算の概要であります。
本日、ここに提案しております議案は、ただいまご説明申し上げました令和7年度予算議案20件のほか、条例議案8件、契約の締結に関する議案9件、経費負担に関する議案2件、人事に関する議案2件であります。
このうち、条例議案について、その概要をご説明申し上げます。
第一は、「福岡県税条例等」の一部改正であります。「地方税法」等の一部改正に伴い、個人県民税における所得控除の拡充及び県たばこ税における課税方式の見直しを行うほか、所要の規定の整備を行うものであります。
第二は、「福岡県公の施設の設置及び管理に関する条例」の一部改正であります。県立特別支援学校設置計画に基づき、宗像市及び福岡市早良区に県立特別支援学校を設置することに伴い、所要の規定の整備を行うものであります。
そのほか、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正に伴い、育児を行う職員の職業生活と家庭生活との両立を一層容易にするため、部分休業制度を拡充する条例、本庁舎一般外来駐車場の一般開放に当たり、その使用料を定める条例、土石の堆積に関する工事の許可申請等に対する審査手数料を定める条例、関係法令の一部改正等に伴い所要の規定の整備を行う条例3件であります。
以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。
日程 | 提出議案| 諮問| 知事議案説明要旨| 代表質問 | 一般質問
採決結果| 可決された意見書・決議、採択された請願