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令和5年9月定例会の知事議案説明要旨

当初提出議案(令和5年9月8日)

 本日ここに、第3回福岡県議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。


 このたびの令和5年梅雨前線豪雨により、全国各地で被害が発生し、本県においても、5名の尊い命が失われるとともに、家屋や事業所、道路、河川、農地、林地、農業用施設、農作物などに甚大な被害が発生しました。
 また、先月、本県と姉妹提携を結んでいる米国ハワイ州のマウイ島においても、山火事が発生し、大きな被害が発生しております。
 お亡くなりになられた方々に対し、深く哀悼の意を表し、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 県では、災害発生後、直ちに、自衛隊、消防等関係機関と連携した人命救助、応急復旧工事を実施するとともに、県営住宅の提供など、被災された皆様への緊急的な生活支援に取り組んできたところであります。
 また、被災地の復旧・復興に向け、浸水家屋の被害状況調査、罹災証明書の発行、健康管理支援などに従事する職員を被災自治体に派遣したほか、農林漁業者、商工業者の事業再開・継続の支援に取り組んでおります。
 県議会の皆様の深いご理解とご支援のもと、必要な対策に迅速に取り組むことができましたことに、改めて感謝を申し上げます。
 今後、被災された皆様が一日も早く、元の生活に戻れるよう、また、農林漁業者、商工業者の皆様が事業継続の意欲を失うことなく、事業を再開・継続できるよう、国や市町村、関係機関と連携し、被災地の復旧・復興、県土強靱化に全力で取り組んでまいります。

 この議会に提案しております議案は、40件であります。その内訳は、予算議案1件、条例議案6件、工事請負契約の締結に関する議案24件、経費負担に関する議案7件、人事に関する議案2件であります。
 まず、予算議案について、ご説明申し上げます。
 今回の補正予算は、令和5年梅雨前線豪雨災害の復旧・復興対策、安全・安心の確保、燃料費上昇分等への支援に要する経費のほか、地域活性化に必要な経費を措置しております。
 補正予算の額は、一般会計で515億9600万円余となり、その結果、一般会計の総額は、2兆2659億7500万円余となります。
 一般会計の歳入は、国庫支出金及び県債などの特定財源のほか、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」、繰越金を計上しております。


 次に、補正予算の主な項目について、ご説明申し上げます。
 まず、令和5年梅雨前線豪雨災害の復旧・復興対策であります。
 農林漁業者への緊急支援として、被災したハウス施設や農業用機械の再取得・修繕、ハウスへの浸水防止のための排水ポンプ等の整備に対し助成します。
 被害を受けた農作物を再生産するための種苗や苗木、浸水した家畜用飼料の購入等に対し助成を行います。
 河川への土砂堆積により産卵場が減少したアユの資源維持のため、その卵を放流します。
 また、経営再建や施設復旧等のための特別融資枠を創設し、金利負担を軽減します。
 今後の災害リスクへの対応強化として、被災により収入が減少する農業者に対し、保険料の一部を助成し、収入保険への加入を促進してまいります。
 商工業者への緊急支援として、県独自の補助制度を創設し、工場や店舗、機械設備などに被害を受けた中小企業、小規模事業者が事業再建のために行う施設・設備の復旧を強力に支援します。
 被災した小規模事業者の新商品開発等による販路開拓を後押しするため、国の助成制度の補助率を嵩上げし、事業者負担を4分の1に軽減します。
 また、県制度融資に経営再建や設備復旧等のための低利の融資枠を創設し、保証料について全額県が肩代わりします。
 災害復旧事業では、道路、河川、砂防施設、農地・農業用施設などの復旧費を増額するとともに、浮羽工業高等学校など県有施設の復旧費を計上しております。
 また、平成筑豊鉄道の被災路線や国指定文化財の復旧費に対し助成を行います。
 今後の災害の再発を防止するため、土砂災害が発生した渓流及び斜面への砂防施設や崩壊した林地への治山施設の設置、河川の浚渫を実施するための経費のほか、河川、砂防施設の改良工事に向けた調査費を計上しております。
 このほか、道路、砂防施設、海岸及びダムにおける土砂や流木の撤去等に要する経費を計上しております。

 次に、安全・安心の確保であります。
 子どもたちの通学路における歩道整備、道路の拡幅、流域治水を推進するための農業用ため池の整備のほか、土砂災害を防止するための砂防施設の整備等に要する経費を増額しております。
 また、いじめに悩むこどもや保護者を、学校外の立場から社会福祉士や弁護士などが支援する「福岡県いじめレスキューセンター」を新設いたします。
 新たに地域猫活動を導入する市町村に対し、不妊去勢手術費用を助成するとともに、動物愛護団体と協働して、餌や排泄物等の適正管理を行う担い手を育成し、飼い主のいない猫の致死処分ゼロを目指してまいります。


 次に、燃料費上昇分等への支援であります。
 原油価格高騰の影響を受けながらも、運賃への転嫁が難しい地域鉄道、乗合バス、タクシー事業者に対して燃料費を助成し、県民の皆様の移動手段である地域公共交通の維持を図ってまいります。
 また、米麦の共同乾燥調製施設に係る燃料費を助成し、農業者の負担を軽減します。
 肥料価格高騰の影響を受けず、化学肥料の低減につながる堆肥の利用を拡大するため、堆肥の発酵やペレット化、散布に必要な機械の導入に対する助成制度を新たに設け、ワンヘルスの推進を図ってまいります。
 デジタルデータを活用した農業DXに取り組む農業者が行う、ロボットコンバインや総合環境制御システムなどのスマート農業機械の導入に対して助成し、燃料や農薬使用量の低減による生産コストの縮減を促進してまいります。

 地域活性化では、日田彦山線沿線の地域振興及びBRT利用促進のため、東峰村が実施する宝珠山駅周辺の再整備に対し助成します。
 また、大型貨物専用機の長距離運航を可能とするため、北九州空港の滑走路延長に要する経費を新たに計上しております。
 以上が補正予算の概要であります。

 次に、条例議案について、ご説明申し上げます。
 第1は、「福岡県病院及び診療所の人員及び施設の基準等に関する条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、「医療法施行規則」の一部改正に伴い、病院の人員の基準を改めるほか、所要の規定の整備を行うものであります。
 第2は、「福岡県建築都市関係手数料条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の一部改正等に伴い、マンション管理計画の認定の申請に対する審査の手数料等について定めるほか、所要の規定の整備を行うものであります。
 そのほか、関係法令の一部改正に伴い所要の規定の整備を行う条例4件であります。

 工事請負契約の締結に関する議案は、福岡県公営住宅小保団地第一工区建築工事ほか4件について契約を締結するもの及び主要地方道大牟田川副線三明橋上部工建設工事ほか18件について議決内容の一部を変更するものであります。
 経費負担に関する議案は、農業農村環境整備事業ほか5件について、市町村の負担すべき金額を定めるもの並びに空港整備事業について議決内容の一部を変更するものであります。

 人事に関する議案は、福岡県教育委員会委員及び福岡県公安委員会委員の任命について、県議会の同意を求めるものであります。
 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。


日程 | 提出議案| 諮問| 知事議案説明要旨| 代表質問 | 一般質問
採決結果| 可決された意見書・決議、採択された請願