トップページ > 本会議の情報 > 令和元年6月定例会 > 私学助成の拡充に関する意見書

私学助成の拡充に関する意見書

 我が国の私立学校は、独自の建学の精神に基づく個性豊かな教育を実践するとともに、多様な教育機会を提供し、社会の各分野で活躍できる有為な人材の育成に努めてきたところである。しかしながら、私立学校を取り巻く経営環境は、少子化の更なる進行などにより厳しさを一層増しており、その健全性の確保が重要な課題となっている。
 また、子どもたちの安全を守る私立学校施設の耐震化も喫緊の最重要課題となっている。
 さらに、昨年6月には「第三期教育振興基本計画」が閣議決定され、今後5年間の教育政策の目標が示されたが、その実現には更なる教育環境の整備が必要である。
 このような中、我が国の公教育の一翼を担う私立学校が自主的・主体的な管理運営を行い、今後とも健全な発展を続けていくには、近年の社会・経済情勢の変化に対応できるように、財政基盤の強化が重要であり、そのためには、私学助成の貴重な財源となっている国庫補助制度の維持、強化が必要不可欠である。
 高等学校生徒に支給される就学支援金があるものの、依然として私学に学ぶ生徒の保護者の負担は重く、2020年度までに年収590万円未満世帯を対象に授業料の実質無償化を実現するとともに、依然として残る公私間の格差を解消するため、支援制度の一層の充実が必要である。
 また、小・中学校においては、ほとんどの保護者に経済的支援はなく、問題は残されたままとなっている。
 よって、政府におかれては、令和2年度予算編成に当たり、私立高等学校等経常費助成費補助金の国庫補助制度を堅持し、一層の拡充強化を図るほか、私立学校施設の耐震化を促進するため、その補助率及び補助対象を拡大するなど、私学助成制度全般の拡充強化に努められるとともに、国公私立学校間の保護者負担の格差是正を実現されるよう強く要望する。 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  令和元年7月12日

 福岡県議会議長 栗原 渉

 内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
 財務大臣 麻生 太郎 殿
 総務大臣 石田 真敏 殿
 文部科学大臣 柴山 昌彦 殿