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令和2年4月臨時会の知事議案説明要旨

当初提出議案(令和2年4月30日)

  本日ここに、第6回福岡県議会臨時会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。

  はじめに、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に対し深く哀悼の意を表し、今も闘病生活を送られている方々の1日も早い回復をお待ち申し上げます。
また、自らの感染リスクを顧みず、奮闘されている医療関係者の皆様をはじめ、様々な現場で社会を支えていただいている皆様に心から敬意を表し、感謝申し上げます。
この議会に提案しております議案は、5件であります。その内訳は、予算議案1件、条例議案3件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案1件であります。

  まず、予算議案について、ご説明申し上げます。
  今回の補正予算は、4月17日に先行して発表いたしました対策を含め、国が決定した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を最大限活用し、本県における「感染拡大防止と医療提供体制の強化」、 「事業継続の支援」及び「地域経済の回復と社会構造の変革」に必要な経費を措置しております。
  補正予算の額は、一般会計で706億5,500万円余となっております。財源につきましては、国庫支出金及び諸収入等の特定財源のほか、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を見込んでおりますが、 これだけでは今回の緊急対策を到底賄えるものではないため、当初予算の事業の見直しをした上で、財政調整基金等3基金から95億円の繰入れを行ったところです。これによって、補正後の一般会計の総額は、 1兆9,223億7,900万円余となります。

  次に、補正予算の主な項目について、ご説明申し上げます。

  第一は、「感染拡大防止と医療提供体制の強化」であります。
  感染拡大防止対策を強化するため、幼稚園、県立学校、障がい者施設等へ配布するマスクや消毒液等の購入に要する経費のほか、介護施設の多床室の個室化への改修等に対する助成費を措置しております。
  医療提供体制の強化としては、感染症患者の入院を受け入れた医療機関に対する患者1人あたり30万円の支援金、医療機関へ配布するマスク300万枚、医療用ガウン4万着の購入経費を計上したほか、 重症患者の治療を行う医療機関への専門の医療チームの派遣に要する経費を計上しております。
  患者の受入体制を拡充するため、感染症指定医療機関等における当面必要な入院病床を570床、軽症者等の療養生活を支援するための宿泊施設1,200室をそれぞれ確保する経費を措置しました。
  また、県民からの感染症に関する不安や疑問に対応するためのコールセンターの設置経費を計上したほか、県医師会が行う「新型コロナウイルス専用外来」の設置・運営に対する助成費を措置しております。
  さらに、県内企業による治療薬等の開発を支援するための助成費を措置しております。
  そのほか、学校の臨時休業に伴い、子どもの受入れを行う放課後児童クラブ及び放課後等デイサービスに対し、追加で発生する運営費を助成します。

  第二は、「事業継続の支援」であります。
  新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな影響を受けている事業者の事業継続を支援するため、県独自の支援策として「福岡県持続化緊急支援金」を創設いたします。その内容は、国の「持続化給付金」の対象とならない、 売上げが30パーセント以上50パーセント未満減少した法人には50万円、個人事業者には25万円をそれぞれ上限とした支援金を給付します。これにより、県内約14万5,000の事業者のうち、国、県合わせて10万、全体の7割の事業者を支援いたします。
  また、宿泊業や飲食業など全業種を対象に、売上げが一定以上減少した中小企業を支援するため、県制度融資に無利子、無担保、融資総額2,828億円の資金を創設するとともに、 「緊急経済対策資金」の保証料を全額県で補てんいたします。
  飲食店が行うデリバリーやテイクアウトなど経営革新のための新たな取組み及び事業者が行うテレワークの環境整備に対する助成費を措置いたしました。
  さらに、売上げが15パーセント以上減少した中小企業の製品開発や設備投資を後押しする助成制度の補助率を嵩上げし、事業者負担を4分の1に軽減します。
  需要の減少により販売価格が低迷している農林業者への支援として、花き、野菜の生産者の種苗購入、和牛肥育農家の子牛購入に対し助成を行うとともに、入国制限により技能実習生の確保が困難となった農業者に対し、 省力化を図る高性能農業機械の導入を支援することとし、これらの経費を措置しております。
  県産品の販路確保を支援するため、県産の加工食品、工芸品、農林水産物等を3割引で販売する「福岡県ウェブ物産展」の開催経費を措置しております。
  就職支援では、感染症の影響により就職内定を取り消された方や職を失った方を県の会計年度任用職員として任用する経費、県の「年代別就職支援センター」の相談員の増員に要する経費を計上しております。
  休業等により収入が減少し生活に困っている方を支援するため、その一時的な生計を維持する生活福祉資金の原資を増額する経費を措置しております。
  また、アルバイト先を失った留学生と人手を必要とする事業者とのマッチングを支援するため、「福岡県留学生サポートセンター」の相談員の増員に要する経費を計上しております。

  第三は、「地域経済の回復と社会構造の変革」であります。
  新型コロナウイルス感染症の収束後、速やかに地域における個人消費を喚起し、商店街をはじめ地域経済の活性化を図るため、商工会議所・商工会等が行うプレミアム付き地域商品券の発行に対する助成費を措置しております。
  また、観光復興を支援するため、本県に宿泊する旅行者に対し宿泊料金の一部を割引する「福岡県宿泊割(仮称)」の実施に要する経費、国内外の観光客向けのPR動画の制作及びプロモーションに要する経費を計上しております。
  さらに、宿泊事業者が行う空気清浄機の整備など感染防止の取組みに対する助成費を措置しております。
  外食から家庭食へのシフトなど輸出先のニーズの変化に対応するため、食品製造事業者が行う冷凍食品製造設備の整備に対する助成費を計上しております。
  県立学校や県立3大学における遠隔教育を推進するため、教員が使用する通信用カメラ、家庭にネット環境が整っていない児童生徒や学生に貸与するモバイル端末の整備費を計上しております。
  また、県庁におけるリモート化を推進するため、ウェブ会議システムの導入に必要なモバイル端末やモニター等及び職員の在宅勤務に必要なモバイル端末の整備費を計上しております。
  さらに、今回の新型コロナウイルス感染症の世界的な発生を受け、「福岡宣言」が発せられた福岡県からワンヘルスの理念を世界に発信する国際フォーラムの開催に要する経費を計上しております。

  このほか、感染拡大に伴い見直しをした事業費及び特別職の給与費の一部を減額することとしております。
  以上が補正予算の概要であります。

  次に、条例議案について、ご説明申し上げます。
  第一は、「福岡県工業技術センター等使用料及び手数料条例の一部を改正する条例」であります。新型コロナウイルスの感染拡大により、事業活動に影響を受ける県内中小企業の経済的な負担の軽減を図るため、 福岡県工業技術センターの使用料及び手数料を減免する規定を定めるものであります。

  第二は、「特定大規模災害等に対処するための特殊勤務手当の特例に関する条例の一部を改正する条例」であります。新型コロナウイルス感染症対策に従事した職員に対する国の措置に鑑み、 感染症に感染のおそれのある業務に従事した職員に対する特殊勤務手当の特例を定めるものであります。

  第三は、「福岡県特別職の職員の給与の特例に関する条例」であります。新型コロナウイルスの感染拡大のため、県民の皆様、事業者の皆様には様々なご協力をお願いしております。
新型コロナウイルス感染症緊急対策をしっかり実施していくため、その財源の一助として、令和2年5月から令和3年3月までの間、知事、副知事等の特別職職員の給料、地域手当及び期末手当の一部を減額するものであります。

  次に、専決処分したものについて報告し承認を求める議案は、福岡県税条例等の一部改正であります。「地方税法」の一部改正に伴い、電気供給業に対する法人事業税の課税方式の見直し等を行うものであります。

  以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。