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福岡県”One Health”国際フォーラム2021~人と動物と環境の健康は一つ”ワンヘルス”~

福岡県”One Health”国際フォーラム2021~人と動物と環境の健康は一つ”ワンヘルス”~

 令和3年1月30日、人と動物、そして環境の健康を一体的に守るため、今、世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症をはじめとする人獣共通感染症対策等に取り組むという「ワンヘルス」の理念と実践について、最新の研究や課題を各分野の関係者で共有し、世界に発信する「福岡県“One Health”国際フォーラム2021」が、福岡国際会議場(福岡市)で開催されました。
 フォーラムは、福岡県や福岡県医師会、福岡県獣医師会などでつくる実行委員会が主催。当日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、無観客で開催され、開会式や基調講演の模様はインターネットでライブ配信されました(特別講演とともに録画配信中です)。
 開会式では、大会本部長である知事の職務代理者服部誠太郎副知事による主催者挨拶に続き、吉松源昭議長から、「令和2年12月定例会で、全国初の、ワンヘルスの実践を進めることを目的とした『福岡県ワンヘルス推進基本条例』が可決・成立し、令和3年1月5日に公布されました。福岡県議会としてもワンヘルスの推進に全力で取り組むとともに、アジアに向けた人獣共通感染症の防疫対策、研究などの拠点となるセンター機能を九州に誘致するため、国などに要望活動を行ってまいります」との来賓挨拶がありました。
 基調講演では、まず、世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターの茅野龍馬医官から「世界における新型コロナウイルス感染症の現状と対策」とする講演があり、日本医師会の横倉義武名誉会長からは「ワンヘルスの観点からみた新型コロナウイルス対策の現状と対策」として、その課題等に関する講演がありました。
 続いて、日本獣医師会の藏内勇夫会長(福岡県議会議員)から、「感染拡大の現状を踏まえた今後のワンヘルスの展望」に関する講演があり、藏内会長は、「『生物災害』と言える人獣共通感染症の感染源の特定や経路の遮断が獣医学の果たす役割」であるとし、「野生動物やペットへの感染状況を調べるには法整備が不十分」であることを指摘され、最後に「地球環境を保全しなければ人類の将来はない。地球の健康をとりもどし、次世代の子供や孫たちに引き継ぐことが我々の役割である」と強調されました。
 最後に、横倉名誉会長と藏内会長に福岡県獣医師会の今村和彦専務理事と県保健医療介護部の白石博昭医監を交えた対談では、「ワンヘルスの概念を検証し認識する段階から実践する段階へ」をテーマとして、福岡県ワンヘルス推進基本条例の評価や注目される点、ポストコロナ時代におけるワンヘルスの姿への思いなどが語られ、ワンヘルスの普及啓発を進める必要性が強く訴えられました。
 ※フォーラム録画配信のアドレス ⇒ https://one-health-fukuoka.net/index.html

日本獣医師会 藏内勇夫 会長(福岡県議会議員)
日本獣医師会 藏内勇夫 会長(福岡県議会議員)

対談の様子
対談の様子

左から順に
 福岡県獣医師会 今村和彦 専務理事
 福岡県保健医療介護部 白石博昭 医監
 日本医師会 横倉義武 名誉会長
 日本獣医師会 藏内勇夫 会長