令和7年8月20日　福岡県議会中国訪問団

　令和7年8月20日から24日までの日程で、藏内勇夫議長とワンヘルス・地方分権等調査特別委員会の野原隆士委員長が、中華人民共和国北京市と西安市を訪問しました。
　今回の訪問は、昨年5月の日中韓首脳会議におけるワンヘルスの理念を盛り込んだ共同声明において、「国、地域および世界の健康安全保障を強化するために、ワンヘルス・アプローチを通じて、多分野にわたる積極的な参加を奨励する」とされていることを受け、中華人民共和国政府機関等を訪問し、日中間におけるワンヘルスの推進および国際交流に関する意見交換を行うとともに、西安市で開催される日中韓獣医師会ＭＯＵ締結式および中国獣医師会大会に出席し、ワンヘルスに関する国際協力の調査を行ったものです。
　8月20日の夜に北京市に到着した一行は、翌21日に、まず中華人民共和国国家疾病予防制御局を訪問し、張俊（ちょうしゅん）　副司長をはじめ同局幹部の方とワンヘルスの推進に関して、特に人獣共通感染症対策をはじめとした多国間の共同研究や人材育成の重要性について意見交換を行いました。

　次に、中華人民共和国農業農村部畜牧獣医局を訪問し、陳光華（ちんこうか）　副局長ほか幹部の方とワンヘルスの推進に関して、動物の防疫や疫病の撲滅を通して人の健康に繋げるために、人の疾病予防、防疫、公衆衛生部門とも組織横断的に連携して取り組むことの重要性について意見交換を行いました。

　続いて、自治体国際化協会北京事務所を訪問し、山本倫彦所長から日中地方自体間交流の現状について説明を受けるとともに、ワンヘルスの視点を取り入れた自治体間の交流について意見交換を行いました。

　さらに続いて、在中華人民共和国日本国大使館の金杉憲治大使を表敬訪問し、最近の中国情勢や日中関係などについて幅広い情報をお聞きするとともに、ワンヘルスの推進に関して意見交換を行いました。

　翌22日は、北京市から西安市に移動し、日中韓3か国の獣医師会によるワンヘルス推進に関するＭＯＵ締結式に出席するとともに、各国の取り組みについて意見交換を行いました。

　翌23日は、中国獣医師会大会に出席し、表彰される優秀な論文および症例報告、新技術や新製品の公募プロジェクトの発表等の他、展示ブースの視察調査を行いました。

　そのほか、西安市郊外の陝西盛澳動物製薬株式会社工場の現地調査を行うとともに、中国獣医師会会員等と意見交換を行うなど、ワンヘルスの推進に向けて、大変有意義で実りある訪問となりました。