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少子・高齢化などの重要課題のための地方財政の充実・強化に関する意見書

 いま、地方公共団体は、少子・高齢化に伴う社会保障制度の整備や子育て支援策の強化はもとより、人口減少下における地域活性化対策、多発化する大規模災害への対応、物価高騰対策、DX化、脱炭素化など、極めて多岐にわたる重要課題に対応していく必要がある。
 政府は「骨太方針2025」において、賃上げこそが成長戦略の要という基本的考え方の下、「賃上げを起点とした成長型経済」を実現するとしており、同時に「地方創生2.0」を推進するとしているが、掛け声だけに終わらぬよう、実効的な政策を展開すべきである。
 このため、2026年度の政府予算と地方財政の検討にあたっては、現行の地方一般財源水準の確保からさらに踏み出し、社会全体として求められている賃上げ基調にも相応する人件費の確保を含めた、地方財源の充実・強化等を図るよう、以下の事項の実現を求める。
1 社会保障の充実、地域活性化、DX化、脱炭素化、物価高騰対策、防災・減災、地域公共交通の再構築など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握し、それを支える人件費を重視しつつ、現行の水準にとどまらない、より積極的な地方一般財源総額の充実・強化を図ること
2 子ども・子育て支援、地域医療の確保、介護や生活困窮者の自立支援など、より高まりつつある社会保障ニーズが自治体の一般行政経費を圧迫していることから、地方単独事業分も含め、十分な財源措置を講じること
3 地方交付税の法定率を引き上げるなどし、臨時財政対策債に頼らない、より自律的な地方財政の確立に取り組むこと。また、所得税や偏在性がより小さい消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、地域間の財源偏在性の是正に向けてより抜本的な改善を行うこと
4 「地方創生推進費」として確保されている1兆円については、現行の財政需要において不可欠な規模となっていることから、恒久的な財源とすること
5 地域公共交通の維持・確保に係る経費について、こども子育て費と同様、普通交付税の個別算定項目に位置付け、一層の施策充実を図ること

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  令和7年9月29日

福岡県議会議長 藏 内 勇 夫 

 

衆議院議長 額賀福志郎殿
参議院議長 関口昌一殿
内閣総理大臣 石破 茂殿
総務大臣 村上誠一郎殿
財務大臣 加藤勝信殿
厚生労働大臣 福岡資麿殿
経済産業大臣 武藤容治殿
国土交通大臣 中野洋昌殿
デジタル大臣 平 将明殿
内閣府特命担当大臣 三原じゅん子殿
(こども政策・少子化対策)