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偏在性の小さい地方税体系の構築を求める意見書
地方公共団体は、こども・子育て政策の強化を含む社会保障関係費の増加に加え、地方創生・人口減少対策、脱炭素化、デジタル化、頻発する自然災害に備える国土強靱化、インフラ・公共施設の老朽化対策、物価高や民間の賃上げ等への対応など、ますます増大する財政需要に対応していく必要がある。地方公共団体が地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを担っていくうえで、地方税は最も重要な基盤であり、地方税の充実とともに税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築が不可欠である。
地方税収は、企業収益や消費支出等の増加等により、決算ベースで4年連続過去最高を更新している。その一方で、インターネット販売事業やフランチャイズ事業の拡大といった法人の事業活動の変化により、東京都への税源の偏在が一段と拡大しており、全国の地方税収に占める東京都の税収のシェアは全体で17.6%であるのに対し、地方法人課税では28.6%と大きく上回っている。
経済活動の東京一極集中は構造的な問題であり、一過性のものではないため、現状の財政力格差を放置すれば、ますます財政力格差が拡大し、行政サービスの格差も拡大する蓋然性が高い。
よって、国におかれては、地方公共団体間の財政力格差の是正を図るため、次の事項について、特段の措置を講じるよう強く求める。
1 地方税は、地方の実情に沿った行政サービスを行う上で、最も重要な基盤であり、行政サービスの地域間格差が過度に生じないようにするためにも、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を目指すこと
2 特に偏在性が大きい地方法人課税における偏在是正については、地方に譲与される国税化の割合を高めるなどの措置について検討し、令和9年度税制改正において結論を得るとされているが、都市と地方がお互いに支え合うという基本的な考え方に立ち、具体的な検討を行うこと
3 電子商取引の進展やフランチャイズ事業の拡大など近年の産業構造や消費構造の変化等を踏まえ、応益課税の観点から、法人事業税の分割基準の見直しを行うこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月24日
福岡県議会議長 藏 内 勇 夫
| 衆議院議長 | 森 英介殿 |
| 参議院議長 | 関口昌一殿 |
| 内閣総理大臣 | 高市早苗殿 |
| 総務大臣 | 林 芳正殿 |
| 財務大臣 | 片山さつき殿 |