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ALPS処理水の海洋放出に係る着実な対応の継続を求める意見書

 東京電力福島第一原子力発電所の構内に保管されている多核種除去設備等処理水(以下「ALPS処理水」という。)の処分については、6年以上にわたる専門家による検討を踏まえ、令和3年4月、安全性の確保と風評対策の徹底を前提に、2年程度後をめどに海洋放出する基本方針が決定された。
 当該方針決定以降、政府は安全性の確保や風評対策の徹底に取り組むとともに、地元の方々や国際社会への丁寧な説明、情報発信にも取り組んできた。また、IAEA(国際原子力機構)の科学的根拠に基づいた取組に対し、複数の国・地域から理解支持の表明が行われ、国際社会の理解が広がりつつある。
 しかしながら、ALPS処理水の海洋放出が、本年8月24日から開始されたところ、日本産水産物輸入の規制を発表した一部の国・地域があることから、日本産食品の安全性に問題があるような印象を与えかねない状況にある。しかも、ALPS処理水の海洋放出は、処分完了まで数十年の長期にわたる。
 よって、国におかれては、ALPS処理水の処分が完了するまで、責任を持って次の措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 科学的知見に基づく正しい情報を諸外国に向けて積極的かつ丁寧に、継続して発信し、徹底的な理解醸成に努め、輸入規制等の撤廃を働きかけていくこと
  2. 風評対策については、日本産水産物の安全確保の取組状況や科学的根拠に基づく日本産食品の安全性について、正確な情報発信を粘り強く続け、徹底した風評払拭に取り組んでいくとともに、販路の回復・拡大ができるよう、生産から流通、消費に至る全体を捉えた総合的かつ強力な支援対策を講じること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  令和5年9月27日

                  福岡県議会議長 香 原 勝 司

衆議院議長 細田博之殿
参議院議長 尾辻秀久殿
内閣総理大臣 岸田文雄殿
外務大臣 上川陽子殿
農林水産大臣 宮下一郎殿
環境大臣 伊藤信太朗殿
復興大臣 土屋品子殿
内閣府特命担当大臣 自見はなこ殿
(消費者及び食品安全担当)