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持続可能な米生産の実現に向けた意見書
我が国の農業を取り巻く環境は、農業従事者の減少に加え、国際情勢の不安定化や気候変動の深刻化など、かつてないほど不確実性を増しており、国民の生命と健康を守る食料の安定供給が喫緊の課題となっている。
特に、食料安全保障の根幹をなす米の安定生産・安定供給は極めて重要であるが、昨年から続く米価の著しい高騰は、国民の家計に重い負担を強いる一方で、生産現場では肥料・燃油等の資材価格高騰が経営を圧迫し、持続的な米の生産体制の維持が困難になってきており、このままでは、国民の平穏な食生活が脅かされかねない。
現行の米政策では、このような国内外の環境変化や米価の高騰に、十分な対応ができるとは言えず、生産者の経営安定に対する確かな展望や、食料安全保障の確保への具体的な道筋も不明確な状況である。
よって、国におかれては、国民の食と暮らしを守る持続可能な米生産の実現に向け、次の事項について措置を講ずるよう強く求める。
1 今般の米の価格高騰の要因と対応の検証を踏まえ、産地において需要に応じた米生産が着実に実施できるよう、より精度が高くきめ細かな需給情報を発信すること
2 令和9年度から根本的に見直される水田政策については、生産者が意欲をもって持続的に米生産ができるよう現場の実態を十分に踏まえ検討すること
3 生産者の経営安定化が図られるよう、主食用米に加え、麦大豆や米粉用米などの生産による水田フル活用の推進に必要な経営所得安定対策等に係る予算を恒久的に確保すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年9月29日
福岡県議会議長 藏 内 勇 夫
| 衆議院議長 | 額賀福志郎殿 |
| 参議院議長 | 関口昌一殿 |
| 内閣総理大臣 | 石破 茂殿 |
| 財務大臣 | 加藤勝信殿 |
| 農林水産大臣 | 小泉進次郎殿 |