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「環境と人と動物のより良い関係づくり等福岡県におけるワンヘルスの実践促進に関する条例」が制定されました

 新型コロナウイルスのような人と動物、双方に感染する人獣共通感染症は、森林開発などにより生態系の崩壊が進み、人と野生動物の生存領域が近すぎたことで、動物が持つ病原体が抵抗力のない人間にも感染するようになったといわれています。また、人の活動による環境破壊は、直接、人獣共通感染症発生の原因になるだけではなく、気候変動や地球温暖化の原因にもなり、生態系や生物多様性の崩壊を加速させ、豪雨や台風といった様々な災害の原因となっています。健全な環境と生態系の中でこそ、人と動物の健康は維持されるものです。私たちが現在及び将来にわたって豊かな生態系の恵みを享受し、健康に暮らすことができる地域社会を形成、維持し、受け継いでいくことが必要です。
 本県議会は、このようなワンヘルスの理念や基本方針について、令和2年12月定例会で福岡県ワンヘルス推進基本条例を制定し、取り組むこととしました。
 その後、県は基本条例に基づきワンヘルス推進行動計画を策定しましたが、他方で、住民により身近な自治体である市町村からは、ワンヘルス宣言を行ったものの、具体的にどのような施策・事業をすればよいか等の意見・質問が出ています。また、人の健康は、健全な環境の下で生産された健康な家畜や安全な農産物等を食することで維持されていますので、より一層の地産地消や食育のあり方の見直しが必要です。
 それらの現状や課題を踏まえ、長期的、計画的に、ワンヘルス実践の取組を、さらに促進するための具体的な法的仕組みづくりが必要ではないかと福岡県議会議員提案政策条例検討会議(座長:吉村悠議員)では、合計16回におよぶ会議を開催し、鋭意検討を重ねてきました。
 同検討会議では、ワンヘルス・地方分権調査特別委員会と合同で行った勉強会における専門家からの問題点の提示を踏まえ、委員全員が課題認識をもって協議を進めてきました。
 また、同検討会議の委員だけではなく、ワンヘルス・地方分権調査特別委員会および農林水産委員会の各委員長にも出席を要請して意見をいただき、また、パブリックコメントにおいても生態系や森林などに関する意見が寄せられ、それらを取りまとめた条例案は、令和4年10月7日、議長へ報告を行いました。
 この条例案は、議員提案により、同月14日の9月定例会閉会日において可決・成立し、同月28日に公布されました。

条例の主な内容は次のとおりです。

〇 県がワンヘルスの実践に取り組む市町村や事業者等に情報の提供や技術的な支援その他必要な支援を行うとしたこと
〇 食の安全に配慮した農産物等を生産する条例根拠のワンヘルス認証制度を創設し、認証品を保護する規定を置くことにより、生産及び消費の促進を図ること
〇 生態系の恵みを守り、活用するため、森林環境の保全とその多様な機能の増進に関する規定を置いたこと
  環境と人と動物のより良い関係づくり等福岡県におけるワンヘルスの実践促進に関する条例(PDF:282KB)

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福岡県議会議員提案政策条例検討会議 委員
座長 吉村  悠(自民党県議団)
   板橋  聡(自民党県議団)
   浦 伊三夫(自民党県議団)
   仁戸田元氣(民主県政県議団)
   中嶋 玲子(民主県政県議団)
   堀  大助(緑友会)
   小河 誠嗣(緑友会)
   壹岐 和郎(公明党)
   大塚 勝利(公明党)