食料安全保障の強化を求める意見書

 新型コロナからの経済回復や北米・南米での異常気象による不作、中国の輸入需要の増加に伴う穀物やエネルギー需要の拡大などにより、原油や化学肥料原料に加え、穀物についても国際価格が高騰しており、食料や農業生産に必要な資材の多くを輸入に依存してきた我が国の食料安全保障上のリスクが顕在化しつつある。
 さらに、ウクライナ情勢の長期化により、状況は厳しさを増すことも予想されており、過度な輸入依存から脱却し、国内農業の持続性を確保した食料安全保障対策の強化は我が国の喫緊の課題となっている。
 しかし、食料安全保障の強化は時間を要する課題であり、農業者の経営継続を図る当面の措置に加え、中長期の視点を持った取組を進める必要がある。
 よって、国におかれては、我が国の食料安全保障強化の観点から、国内農業生産の安定を確保するため、次の事項を実現されるよう強く要望する。
1 生産資材の高騰が農業経営に及ぼす影響を緩和するため、価格高騰時に生産者に補填する仕組である肥料セーフティネット制度を創設するとともに、燃料や飼料のセーフティネット対策の充実を図ること
2 圃場の大区画化や排水対策など土地改良の推進を強化するとともに、小麦や大豆など輸入に依存する農作物の生産に対する支援を強化すること
3 国民が消費する食料を出来るだけ自国で生産する「国消国産」の概念を取り入れ、消費者の理解醸成に国として取り組むこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和4年6月21日

福岡県議会議長 秋 田 章 二

衆議院議長 細田博之殿
参議院議長 山東昭子殿
内閣総理大臣 岸田文雄殿
総務大臣 金子恭之殿
農林水産大臣 金子原二郎殿
環境大臣 山口 壯殿