私学助成の拡充に関する意見書

 私立学校を取り巻く経営環境は、少子化による就学人口の減少などにより厳しさを一層増しており、今日その健全性の確保が最重要課題となっている。
 また、子どもたちの安全を守る私立学校施設の耐震化も喫緊の課題である
 言うまでもなく私立学校は、我が国の公教育の一翼を担うものである。したがって今後とも健全な発展が求められるが、そのためには、改めて述べるまでもなく、財政基盤の強化が重要であり、私学助成の貴重な財源となっている国庫補助制度の維持と一層の強化が必要不可欠である。
 高等学校生徒に支給される就学支援金の上限額は、令和2年度から年収590万円未満世帯で引き上げられ、専攻科に係る修学支援制度も創設されるなど一定の成果が上がってはいるが、依然として私学に学ぶ生徒の保護者の負担は重く、小・中学校も含め、公私間の格差は残されたままとなっている。
 さらに、令和3年度中途、経常費補助制度に係る過疎地域の見直しが突然行われ、補助対象外となった高等学校においては経営に関わる混乱が生じている。
 よって、政府におかれては、令和5年度予算編成に当たり、私立高等学校等経常費助成費補助金の国庫補助制度を堅持し、一層の拡充強化を図ることはもとより、ICT環境の整備に対する支援の拡充、新型コロナウイルス感染症に関する取組への助成及び児童生徒への支援策の強化、また、私立学校施設の耐震化促進のための補助率及び補助対象の拡大など、私学助成制度全般の拡充強化に努められるとともに、国公私立学校間の保護者負担の格差是正の実現、さらには、人口減少に伴い生徒数が減少している私立高等学校への支援の継続、拡充が図られるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和4年6月21日

福岡県議会議長 秋 田 章 二

内閣総理大臣 岸田文雄殿
総務大臣 金子恭之殿
財務大臣 鈴木俊一殿
文部科学大臣 末松信介殿