農林水産物・食品のさらなる輸出拡大を求める意見書

 我が国の農林水産物・食品の輸出額はこの10年で倍増し、2021年には1兆円を突破した。本県においても、「あまおう」、「八女茶」、「博多和牛」、県産酒など本県が強みを持つ農林水産物の海外への販路拡大を図るため、販売促進フェアの開催や商談会への出展支援、輸出先国の規制に対応した生産体制の構築に取り組んでおり、令和3年度の輸出額は47億円と過去最高を更新した。
 人口減少による国内市場の縮小や高齢化による人手不足、さらに、生産資材価格高騰などの課題を抱える中、我が国の農林水産事業者の利益拡大を図るためには、国内市場に依存してきた農林水産業・食品産業の構造から、成長する海外市場においても稼ぐ構造へと転換を加速する必要がある。そこで、政府は「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」を決定し、実施している。
 よって、国におかれては、さらなる輸出拡大に向け、次の事項について適切に対策を講じるよう、強く求める。
1 国内流通で使用義務のない薬剤処理をはじめとする輸出先国・地域の動植物検疫条件の早期緩和・撤廃を求めること
2 輸出拡大の障害となっている残留農薬基準について、国内と同等の残留農薬基準の早期設定及び緩和を求めること
3 マーケットインの発想に基づき輸出に取り組む産地や事業者を後押しする施策を充実すること

  以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  令和5年3月20日

福岡県議会議長 桐 明 和 久  

衆議院議長 細田博之殿
参議院議長 尾辻秀久殿
内閣総理大臣 岸田文雄殿
財務大臣 鈴木俊一殿
外務大臣 林 芳正殿
農林水産大臣 野村哲郎殿
経済産業大臣 西村康稔殿