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「中山間地域等直接支払制度」に関する意見書

 中山間地域は、流域の上流部に位置することから、営農により水源かん養、洪水の防止、土壌の浸食や崩壊の防止などの多面的機能を発揮することで、下流域の都市住民をも含む多くの住民の財産や豊かな暮らしを守ってきた。
 しかしながら、一昨年度から第4期に入った「中山間地域等直接支払制度」の本県における実施状況は、県下30市町村において、605協定、5695ヘクタール、支払額約7億6千万円で、この支払制度への参加が最も多かった平成16年度と比べて287協定、1214ヘクタールも減少し、また支払金額は、2億1千万円も減っており、今後、中山間地域の営農継続に支障をもたらしかねない、と危惧されている。
 中山間地域を抱える地方自治体は、財政力指数が低く財源に余裕がない自治体がほとんどで、県と市町村に二分の一の負担が求められている現行の「中山間地域等直接支払制度」の存続と拡大は、勝れて地方負担の見直しにかかっているともいえる。
 よって、国におかれては、中山間地域の農業振興を積極的に推進するとともに国土保全の観点から、「中山間地域等直接支払制度」について、次の項目の実現を図られるよう強く要請する。
1 「中山間地域等直接支払制度」における地方負担については、市町村にとって、制度存続と拡大の足かせとなっている事情もあり、全額、国庫で負担することについて速やかに実現を図ること
2 超急傾斜地等の加算措置について、具体的には石積み保全や棚田オーナー制度などの活動を追加する要件があるが、要件となる活動は、地域の実情に応じて弾力的に運用できるようにすること
3 本制度が中山間地域における耕作放棄地対策として活用できるように、耕作放棄地率の高い地域における加算措置の創設など、耕作放棄地対策を推進すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成29年6月23日

福岡県議会議長 樋口明

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 伊達忠一 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 農林水産大臣 山本有二 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿