教育現場の実態に即した教職員配置及び財政措置の拡充を求める意見書
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律が成立し、小学校の学級編制標準が学年進行により段階的に35人に引き下げられる。また、中学校における35人以下学級も同時に求められており、萩生田光一文部科学大臣も、小学校の35人以下学級の成果を中学校につなげていくことを言及している。
現在、学校現場では、新型コロナウイルス感染症対策による新たな業務の負荷をはじめ、解決すべき課題が山積しており、子どもたちの豊かな学びを実現するための教材研究や、授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。
しかし、政府は三位一体改革により、平成18年度から、義務教育費国庫負担制度の負担割合を、2分の1から3分の1に引き下げ、その状況が今日まで継続されている。
国の施策として定数改善に向けた財源保障をし、子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請であり、豊かな学びを保障するための条件整備は不可欠である。
よって、国におかれては、地方教育行政の実情を十分に認識され、自治体が計画的に教育行政を進めることができるように、次の事項について措置を講じるよう強く求める。
1 小学校における35人以下学級の効果検証を早急に行い、中学校での導入時期を明確にすること
2 きめ細かで質の高い教育の実現及び学校における働き方改革を推進するため、学校の実情により柔軟な配置ができる加配定数の改善に努めること
3 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方財政に影響のないよう、十分に財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度の負担割合を引き上げること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和3年9月30日
福岡県議会議長 秋田 章二
衆議院議長 大島 理森 殿
参議院議長 山東 昭子 殿
内閣総理大臣 菅 義偉 殿
財務大臣 麻生 太郎 殿
総務大臣 武田 良太 殿
文部科学大臣 萩生田 光一 殿