学校施設のZEB化のさらなる推進を求める意見書

 地球温暖化や激甚化している災害等に対し、地球規模での環境問題への取組であるSDGsや2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、さらなる取組が急務であるが、公共建築物の中でも大きな割合を占める学校施設の老朽化がピークを迎える中、教育環境の向上と共に、学校施設を教材として活用し児童生徒の環境教育を行う「環境を考慮した学校(エコスクール)事業」が行われてきた。
 この事業は、現在「エコスクール・プラス」として、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が連携協力し、認定を受けた学校が施設の整備事業を実施する際に、関係各省より補助事業の優先採択などの支援を受けることができ、今まで249校が認定を受けている。
 文部科学省の補助としては、新・増築や大規模な改築のほか、教室の窓を「二重サッシ」にする等の部分的な補助事業もあり、また、太陽光発電や壁面緑化を行う学校施設を身近な教材として、環境問題を学ぶことができ、最新の科学技術等を学ぶ貴重な教育機会となっている。
 そこで、カーボンニュートラルの達成及び環境教育の推進を行うためには、さらに加速して事業を多くの学校で実施することが必要である。よって、国におかれては、技術面(学校施設のZEB化に向けた先導的なモデルの構築及びその横展開等)及び財政面(学校施設整備に対する国庫補助)について、以下の事項に留意してさらなる推進を行うことを強く求める。
1 技術面に関しては、学校施設に関するZEB化に向けた新たな技術の開発や周知を行う。特に、新築や増築といった大規模事業だけではなくLED化や二重サッシといった部分的な省エネ改修事業も、しっかりと周知を行い「できるところから取り組む」自治体・学校を増やしていくことが、カーボンニュートラルの達成及び環境教育の充実につながることに留意し、周知の徹底に取り組むこと
2 財政面に関しては、カーボンニュートラルの達成及び環境教育の充実に向けて、多くの学校が取り組むことができるよう、学校施設整備に対する事業予算額を増額すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和4年6月21日

福岡県議会議長 秋 田 章 二

衆議院議長 細田博之殿
参議院議長 山東昭子殿
内閣総理大臣 岸田文雄殿
文部科学大臣 末松信介殿
農林水産大臣 金子原二郎殿
国土交通大臣 斉藤鉄夫殿
環境大臣 山口 壯殿