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高齢者の消費者被害を防止・救済する実効的な法制度の実現を求める意見書

 全国消費生活情報ネットワークシステムの登録情報によれば、2010年から2014年までの5年間で、電話勧誘販売についての相談件数は40万7526件、訪問販売についての相談件数は46万8622件にも達している。
 電話勧誘販売や訪問販売は、自宅等に突然架電・訪問してきた販売員から勧誘を受けるもので、強引な言動等に困惑したり、対面式であるために執拗な勧誘を断り切れず契約してしまうことが生じやすい。特に高齢者は日中自宅にいることが多く、これらの販売による消費者被害に遭いやすい傾向にある。高齢化社会の進展に伴って高齢者のみの世帯や認知症などにより判断能力が低下している方が増えており、今後ますます高齢者の消費者被害が深刻化することが懸念される。
 現在、特定商取引に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)及び消費者契約法の改正議論がなされているが、高齢者の消費者被害を未然に防ぐ方策と、不本意な契約をした場合の救済の方策を、両輪として実現すべきである。
 具体的には、特定商取引法を改正し、事業者の勧誘が始まる前に勧誘を拒否する意思表示をできる制度を導入することが必要である。
 また、消費者契約法を改正し、認知症などの状況につけ込んで締結した契約の取消権の創設、執拗な勧誘・威迫する勧誘により締結した契約を取り消す要件や行使期間の拡大、消費者に一方的に不利な条項無効の明確化などが必要である。
 よって、国におかれては、特定商取引法及び消費者契約法を改正し、高齢者の消費者被害を防止・救済する実効的な法制度を実現するよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成27年12月18日

福岡県議会議長 井上忠敏

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 山崎正昭 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 経済産業大臣 林幹雄 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿
 内閣府特命担当大臣 河野太郎 殿
 消費者庁長官 板東久美子 殿