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難病対策の充実に関する意見書

 「難病の患者に対する医療等に関する法律」が平成27年1月から施行となり、医療費助成の対象はこれまでの56疾患から第1次実施分で110疾患へ、7月からの第2次実施分で306疾患へと広がった。これに伴い、対象人口も従来の78万人から約150万人へと倍増しており、難病対策要綱の策定から42年の時を経て法制化された意義は非常に大きいものである。
 しかしながら、今回の指定難病拡大においても、線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎、軽度外傷性脳損傷、化学物質過敏症、一型糖尿病など、人口の0.1%程度以上の疾病や診断基準が明確でない疾病等は医療費助成の対象とされておらず、障がい者施策の対象にもなりにくいなど、「制度の谷間」に置かれた難病・疾病への支援措置はいまだに不十分なのが現状である。このため、今秋から始まる第3次実施分の検討の中で、新制度に基づくさらなる対策の充実が求められている。
 よって、国におかれては、難病対策の充実を図るため、次の項目について適切な措置を講じるよう強く要望する。
1 指定難病の第三次実施分選定においては、より多くの難病が指定されるよう努めるとともに、人口や診断基準等による要件の緩和も検討すること。併せて、国の研究対象となる疾病についても、これを大幅に拡大すること
2 指定難病となっていない難病ならびに疾病を持つ患者に対する支援措置を拡充すること。特に重症化し、生活を営む上で様々な制約がある患者に対する支援については、自立支援医療の自己負担減額措置や身体障がい者の手帳交付のような目に見える形での措置を講じること
3 保険適用外の薬剤に頼らざるを得ない患者が存在するため、効果が期待できる保険適用外薬剤を早期に保険適用すること。また、特定疾患の申請に必要な臨床調査個人票を無料化することで、難病患者全体の情報を幅広く収集すること
4 難病・疾病に対する国民の社会的認知を高め、理解の向上を図ること
5 難病・疾病患者への就労支援については、難病患者就職サポーターの配置拡充、症状の特性を踏まえたきめ細かな対応など、その充実強化を図ること
6 地方自治体が取り組む難病対策に対しては、十分な財源措置を講じること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成27年10月9日

福岡県議会議長 井上忠敏

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 山崎正昭 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 総務大臣 高市早苗 殿
 厚生労働大臣 塩崎恭久 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿