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環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、例外なき関税撤廃を目指す、究極の自由貿易協定である。 関税以外にも広く国民生活にかかわる医療、食の安全、保険、雇用、公共事業の発注等の政府調達、ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)等が交渉対象であり、国家の主権と安全安心な国民生活をも揺るがしかねない重大な問題をはらんでいる。
 しかしながら、政府は秘密保持契約を理由に依然としてTPP協定交渉、さらには日米並行協議の現状等について十分な情報開示を行わず、国民に著しい不安を招いていることは否めない。このような経過から、TPP協定及び日米二国間交渉が、日豪経済連携協定(日豪EPA)交渉の二の舞となり、拙速な合意を迫られるのではないかという不安と不満がいまだ絶えない。
 もとより、与党自由民主党は、わが国がTPP協定交渉に参加するに当たり、農林水産分野重要五品目や国民皆保険制度の聖域確保を最優先させ、それが確保できないと判断した場合は交渉脱退も辞さないものとする、とした「TPP対策に関する決議」をしている。また、衆議院及び参議院の農林水産委員会でも、それぞれ同様の「TPP協定交渉参加」に関する決議を行った。
 よって国におかれては、改めてTPP協定交渉が国民生活の根本にかかわる重大問題であることを踏まえ、次の事項を実現するよう、強く求める。

1. 国権の最高意思決定機関である国会や与党の決議に則した交渉を、妥協することなく進めること
2. TPP協定交渉に関して国民へ十分な情報開示を行うとともに、利害関係者の意見を交渉過程に確実に反映させること
3. 農林水産分野の重要五品目や国民皆保険制度などの聖域が確保できない場合や交渉過程において政府方針の実現が困難とみなしたならば、交渉脱退を期すこと

  以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成27年5月15日

福岡県議会議長 井上忠敏

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 山崎正昭 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 外務大臣 岸田文雄 殿
 厚生労働大臣 塩崎恭久 殿
 農林水産大臣 林芳正 殿
 経済産業大臣 宮沢洋一 殿
 環境大臣 望月義夫 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿
 経済再生担当大臣 甘利明 殿
 厚生労働大臣 塩崎恭久 殿