少人数学級推進、義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書(平成23年7月20日)
子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことである。
30年ぶりの学級編制引き下げとなる「義務標準法」改正法の成立により、小学校1年生の35人学級が実現した。改正法の附則には、「小学校2年生から中学校に係る学級編制の標準を順次に改定することについて検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置を講ずる。措置を講ずるに当たっては、必要な財源の確保に努めること」が書き込まれた。また、「東北地方太平洋沖地震に係る教職員定数の特別措置を講ずること」も明記された。
今後の少人数学級の推進について、小学校2年生以上の35人学級については、引き続きの検討課題となっており、その実施が決まっていない。新しい学習指導要領の実施により授業時数や指導内容が増加する中、教員が子どもと向き合う時間の確保が重要であり、35人学級の実現は、急務である。
現在、日本の教育予算の状況は、国際的に見て低い水準となっており、OECD加盟国で「教育機関への公財政支出の対GDP比」が28カ国中、最下位になっている。
将来を担う子どもたちへの教育は極めて重要であり、教育の機会均等が担保され、教育水準が維持向上するように施策を講じる必要がある。自治体の財政力や保護者の所得の違いによって、子どもたちが受ける「教育水準」に格差があってはならない。
よって、政府におかれては、平成24年度予算編成に当たり、下記のとおり実現されるよう強く要望する。
記
1 小学校2年生以上の35人学級を早期に実現すること
2 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の充実を図ること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成23年7月20日
福岡県議会議長ツꀀ 原口剣生
内閣総理大臣 菅 直人 殿
総務大臣 片山善博 殿
財務大臣 野田佳彦 殿
文部科学大臣 高木義明 殿
内閣官房長官 枝野幸男 殿