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食の安全・安心に対する信頼回復に関する意見書(平成20年10月9日)

 今日、農薬が混入された冷凍ギョウザやメラミン混入加工食品の流通・販売、牛肉やうなぎの産地偽装、全国的に有名な銘菓や老舗店舗による消費期限の改ざんなど、消費者の信頼を裏切る行為は後を絶たない。
 こうした中、用途を工業用に限定して国から売却される米穀、いわゆる事故米が、本県に工場を置く業者を中心に数社により食用として偽装販売されていたことが明るみに出た。
 消費者が求めてきた食の安全・安心についての信頼を根底から裏切る、これはまさに驚愕の事件であった。
 また偽装とは知らず、安全な原材料として使用してきた食品製造業者にとっては、商品の自主回収など莫大な経費負担を強いられたにとどまらず、失った信用と損害ははかり知れないものがあると聞く。
 もとより、農薬やカビ毒に汚染された事故米を食用として販売した行為は、極めて悪質であり、許しがたい犯罪行為である。
 しかしながら、たび重なる検査を行ったのにもかかわらず不正を見抜けなかった農林水産省の対応についても、不備が厳しく指摘されるところである。
 関係者の厳正なる処分と再発防止に向け、徹底した取り組みが求められる。
 よって、政府におかれては、消費者の食の安全・安心に対する信頼性を早急に回復するため、下記事項における措置を講ずるべきである。

1.我が国の食品安全制度に対する国民の信頼性を早急に回復するため、消費者・生活者の視点に立った抜本的な対策を講じること
2.関係機関における情報の共有化や連携の緊密化を確立すること
3.食品偽装を防止するため、食品衛生法やJAS法を初めとした食品表示関連法令の見直しを図ること
4.善意の関連事業者が受けた風評被害などに対し、金融支援を初め多くの救済措置を講ずること
5.なお、事故米については全量廃棄に早急に着手すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成20年10月9日

福岡県議会議長 貞末 利光

内閣総理大臣          麻生 太郎 殿
厚生労働大臣          舛添 要一 殿
農林水産大臣          石破 茂 殿
消費者行政推進担当大臣   野田 聖子 殿
公正取引委員会委員長     竹島 一彦 殿