「新農政改革」の見直しに関する意見書(平成19年10月10日)
本年度より実施されている品目横断的経営安定対策、農地・水・環境保全向上対策や、現在、検討されている農地政策改革などの農政改革は、今後の我が国の食料、農業政策を大きく左右するものである。
特に、品目横断的経営安定対策については、WTO農業交渉など国際規律に基づき我が国農業を持続的に発展させるための施策とされており、本対策を着実に推進することが重要である。
しかしながら、初年度に当たる本年産麦が近年にない豊作となったことから、旧施策との収入の差が顕在化し、農業者からは強い不満の声が上がっている。
また、農地・水・環境保全向上対策についても、合意形成に時間を要し、対策への加入に間に合わないなどの声が聞かれている。
さらに、広く一般企業の農業参入を促進する農地政策改革は、認定農業者や集落営農組織が地域の農業を担っていく本来の望ましい姿を無視するものであり、担い手への農地の利用集積と安定した経営をなし崩しにすることが危惧されるところである。
よって、政府におかれては、早急に下記事項について対策を講じられるよう強く要望するものである。
記
1.品目横断的経営安定対策については、現場の生の声を十分に聞き、農業者が希望を持てる制度となるよう見直すとともに、中山間地域についてのさらなる要件緩和や各種申請手続の大幅な簡素化を図ること
2.農地・水・環境保全向上対策については、営農活動への支援への新規取り組みを含め、十分な予算措置を講じること
3.農地政策改革における一般企業の農業への参入促進に当たっては、担い手の経営が阻害されないよう、慎重な対応を行うこと
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年10月10日
福岡県議会議長 貞末 利光
内閣総理大臣 福田 康夫 殿農林水産大臣 若林 正俊 殿