新たな野菜・果樹政策に関する意見書(平成18年6月22日)
本県の野菜・果樹産地では、近年の輸入増加や気象災害による需給バランスの崩れ、消費の減退等の影響により価格が低迷し、生産農家の経営は厳しさを増している。また、これに伴い担い手問題が深刻な状況となっている。これはおしなべて、我が国における野菜・果樹農業の実情とも言える。
今後、国際化が進展する中で、将来にわたって国産野菜・果実を安定供給するためには、地域の実情に応じた多様な担い手への支援が喫緊の課題であろう。
野菜については、計画的出荷や需給調整などに努力している産地を対象とした現行の価格安定制度の枠組みを維持し、生産者の経営安定が確保できる仕組みとなるよう充実強化する必要がある。
果樹については、果樹産地構造改革計画に基づく品目すべてを対象に経営支援対策を講じるとともに、加入の少ない果樹共済について、掛金や評価方法を見直すなどの運用の改善が必要である。
さらには、近年、気象災害による集出荷施設等の改修が産地の大きな負担となっており、老朽化等も含め施設の更新については、これを支援する特段の制度創設が望まれるところである。
よって、政府におかれては、平成19年度から導入される新たな野菜・果樹政策の具体化に当たっては、生産現場の実情を十分に考慮し、とりわけ高齢化がますます進行する現状にかんがみ、地域における担い手としての元気な高齢者支援など、野菜・果樹農業が将来を展望できるものとなるよう消費拡大対策も含めた総合的な野菜・果樹政策の実現を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年6月22日
福岡県議会議長 藤田 陽三
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
農林水産大臣 中川 昭一 殿