カネミ油症被害者救済に関する意見書(平成18年6月22日)
国においては、政府・与党内にカネミ油症問題対策プロジェクトチームが発足し、救済に向けて鋭意検討に入るなど新しい局面を迎えている。
昭和43年に西日本一帯で約14,000人に被害をもたらした、いわゆるカネミ油症事件は、発生から既に40年近くが経過した現在も、いまだ有効な治療法が確立されていない。このため、多くの被害者が全身疾患にさいなまれ、健康に不安を抱きながら生活している。
さらに、高齢化等に伴い症状が多様化していることに加え、裁判勝訴により被害者がいったんは手にした国からの損害賠償仮払金についても、上告取り下げに際して国から返還が求められるなど、被害者は肉体的、精神的、経済的に追い詰められているところである。
よって、国におかれては、このようなカネミ油症患者の生活実態等にかんがみ、与党内の新しい動きを見逃すことなく被害者の早期救済と問題解決に向けて、下記について、ぜひ早急に対策を講じられるよう要望する。
記
1.ダイオキシン類の健康に及ぼす影響や体内からの排せつ促進に関する研究をさらに推進し、効果的な治療方法の早期確立を図ること
2.調査研究に協力したカネミ油症患者に対しては、調査協力金方式等を含めた実質的な治療費支給を図ること
3.被害者の経済的、精神的負担となっている仮払金については、返還免除等を新規立法で講じるなど救済を政治的に図ること
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年6月22日
福岡県議会議長 藤田 陽三
衆議院議長 河野 洋平 殿
参議院議長 扇 千景 殿
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
財務大臣 谷垣 禎一 殿
厚生労働大臣 川崎 二郎 殿
農林水産大臣 中川 昭一 殿