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カネミ油症被害者救済対策に関する意見書(平成17年3月28日)

 カネミ油症事件は、昭和43年に、西日本一帯でPCB等の有毒物質に汚染された米ぬか油を食べた約1万4,000人が健康被害を訴えた一大食品中毒事件である。現在も多くの被害者が全身疾患にさいなまれ、またダイオキシンの影響と見られる黒い赤ちゃんが生まれるなど、被害は親から子へと引き継がれた。
 しかも、油症と認定されたのはわずか1,900人にすぎず、解決にはほど遠い現状である。
 その上、国を相手どった損害賠償請求の控訴審で勝訴して、いったんは被害者が手にした仮払金についても、その後裁判そのものを取り下げた結果、弁護団の不手際で国から返還請求されるなど、被害者は経済的にも精神的にも追い詰められている。
 よって、国におかれては、政治決着を含め、下記のとおり早急に解決を図られるよう要望する。

1.カネミ油症については、被害者が広範囲に存在し、かつ化学物質を原因にしていることなどを考慮して、認定患者については公害病等としての扱いを図ること
2.国が支払った仮払金については、被害者の生活実態等も考慮し、返還問題は政治的解決を図ること
3.汚染米ぬか油を食べ、食品中毒による健康被害を受けたことが否定できない未認定患者については、さらなる診断基準の見直しにより、早期に認定すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成17年3月28日

福岡県議会議長  藤田 陽三

衆議院議長    河野 洋平 殿
参議院議長    扇 千景 殿
内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
厚生労働大臣  尾辻 秀久 殿
農林水産大臣  島村 宜伸 殿