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義務教育諸学校教職員給与費の義務教育費国庫負担制度に関する意見書(平成15年7月15日)

 義務教育費国庫負担制度は、教育基本法の理念に基づいた制度であり、「義務教育無償の原則にのっとり、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ること」を目的としている。そのため、この制度は財政面から義務教育を支え、今日まで多大な役割を果たしてきたところである。

 しかしながら、政府は財政再建を理由に昭和60年度以降、義務教育費国庫負担金の見直しを進め、旅費、教材費、恩給費、共済費などが次々と国庫負担制度から適用除外とされ、一般財源化が図られてきた。

これにより、ただでさえ厳しい地方財政は一層厳しさを増し、各市町村間で財政措置の格差が生じることになった。

 現在、内閣は構造改革の一環として国庫補助負担金、地方交付税、国から地方への税財源移譲の三位一体改革を検討しているが、税財源の地方移譲については、今日何ら明確な方針が示されてはいない。したがって、税源移譲等による財源措置が十分に確保されることなく、このことが実施されると、地方財政が受ける影響は極めて大きく、地方自治体の財政力により教育水準に格差が生じるなど、教育の機会均等を損なうことにもつながりかねない。

  よって、政府におかれては、教育の機会均等と全国的な教育水準の維持向上のため、義務教育費国庫負担制度が財政面から義務教育を支えるという趣旨にのっとり、同制度の見直しについては、幅広い視野から慎重に対処されるよう強く要請するものである。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成15年7月15日

福岡県議会議長  井本 宗司

内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
総務大臣     片山 虎之助 殿
財務大臣     塩川 正十郎 殿
文部科学大臣  遠山 敦子 殿