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義務教育費国庫負担制度の見直しに慎重対処を求める意見書(平成14年10月11日)

 平成15年度以降の予算編成において、学校事務職員や栄養職員の給与費に対する負担金削減の議論にとどまらず、共済長期給付負担金や退職手当負担金などを削減、さらには国庫負担制度そのものを廃止・縮減し、地方の一般財源とすることが検討されていると聞いている。

 もとより、我が国における現下の社会、経済諸情勢を考慮したとき、国家財政の再建、自立的な地方税財政制度の確立などを大所高所から検討されていくことは十分理解されることである。

 しかしながら、同国庫負担制度の見直しが単なる地方への負担転嫁として実施されることになれば、厳しい財政環境が続く中、地方自治体が受ける影響は極めて大きいことはもとより、義務教育の円滑な推進に重大な支障をもたらすおそれがある。

 また、地方分権推進策として、教員給与水準の自主的決定権限の付与、定数配置・給与負担等、指定都市の自主性の拡大に向けた検討もあわせ行われているが、都道府県から指定都市への権限と責任の移譲は、これに伴う県市の税財源のあり方などの取り扱いが明確になっておらず、当面、問題が多いと言わざるを得ない。

 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等と全国的な教育水準の維持向上を図る制度として、今日まで義務教育の発展に極めて大きな役割を果たしてきた。また、今後も求められていることは言うまでもないところである。

 よって、政府におかれては、同制度の見直しについては、幅広い視点から慎重に対処されることを強く要請する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成14年10月11日

福岡県議会議長  久保 九州雄

内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
総務大臣     片山 虎之助 殿
財務大臣     塩川 正十郎 殿
文部科学大臣  遠山 敦子 殿