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有明海再生のための総合的対策を求める意見書(平成13年3月6日)

 日本一のノリ生産を誇ってきた有明海が、かつて経験したことのない海の大凶作に見舞われ、関係漁民はもとより、地域経済も大打撃を受けている。
 
 本県をはじめ九州北部4県に囲まれ広大な干潟を有した有明海は、これまでその豊かな自然環境を生かして、ノリ養殖をはじめタイラギ、アサリなどの採貝漁業が営まれ、生産性の高い、漁民からは「宝の海」とも呼ばれた海域であった。
 
 しかしながら、今漁期については、昨年末に突如として発生した植物プランクトンの異常増殖により、かつてない大凶作に見舞われた。既にノリ養殖については、本県分だけでも100億円以上の被害が生じている。新たなタネ網の張り付けなど今漁期の生産活動については、ほぼ絶望の見通しにある。また、貝類も大幅な減少が見られ、特にタイラギは2年連続して操業休止に陥り、漁家の苦悩には計り知れないものがあるといえる。
 
 このため、今早急に原因を解明し、具体的な対策に着手しないと、有明海は再び豊かな自然を見せることはなく、「死の海」と化することさえ心配されているところである。
 
 よって、漁業活動に障害となるような諸課題を早急に解決し、有明海をかつてのような豊かな海に再生させ、関係漁業者が安心して生産活動ができるよう、政府におかれては、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く求める。

1.ノリ等不作緊急対策を実施するとともに、赤潮発生メカニズムの早期解明と対策を実施すること。

2.ノリ・貝類等不作原因究明のため、総合的な漁場環境及び資源変動要因調査を実施すること。また、このため国により新たなる「有明海水産研究機関」を設置すること。

3.水産資源回復のための「有明海再生計画」を早期に策定し、総合的対策を実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成13年3月6日

福岡県議会議長  藤田 茂令

内閣総理大臣  森 喜朗 殿
農林水産大臣  谷津 義男 殿
国土交通大臣  扇 千景 殿
環境大臣     川口 順子 殿
水産庁長官    渡辺 好明 殿