輸入規制等による我が国繊維産業の振興に関する意見書(平成12年10月12日)
我が国の繊維産業は、国民の生活に欠かせない衣料品等の生産、供給を通して地域経済における重要な役割を担い、また、戦前並びに戦後の一時期においては、数少ない輸出産業として日本経済を支えてきた。
しかしながら、近年、中国を初めとする東南アジア諸国からの輸入の急激な増加により、生産の縮小、ひいては産地消滅も危惧されている。
本県においても、中国からの繊維製品輸入がこの10年間で約13倍、近年5年間でも約60パーセント増を示しているところである。このため、筑後地域を中心にした本県繊維産業は、最近五年間で従業員数及び製品出荷額とも約50パーセント以上も減少してきた。
こうしたことから業界においても、みずからの努力を第一義に、市場経済の変化に対応したデザインの高度化や新商品の開発等に取り組み振興を図ろうとしているが、とめどのない輸出攻勢に対応するには自助努力だけではもはや限界に来ている。
よって、政府におかれては、輸入規制等を含めた繊維セーフガードの発動を初め、我が国繊維産業が健全な発展ができるよう特段の措置をされることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する
平成12年10月12日
福岡県議会議長 藤田 茂令
内閣総理大臣 森 喜朗 殿
通商産業大臣 平沼 赳夫 殿