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WTO農業交渉に関する意見書(平成12年7月6日)

 我が国の農業・農村は、食料の安定供給という基本的な役割に加え、洪水の防止、美しい国土や環境の保全、国民への安らぎの場の提供といった多面的な役割を果たしている。
 今日の農業・農村は、食料自給率の低下や担い手の高齢化、過疎化が進行するなど困難な問題を抱えている。加えて、平成11年4月から国民の主食である米について関税措置への切りかえが始まり、本年には今後の国際的な貿易ルールの方向を決定するWTO農業交渉を控えている。
 国においては「農政の憲法」と言われる農業基本法を改め、食料・農業・農村基本法を制定したところであり、この新基本法に示された政策の道筋に沿って施策の具体化を急ぎ、総合的、計画的な政策推進を図るとともに、WTO農業交渉に適切に対応していくことを決意したところである。
 しかしながら、今後の交渉では、輸出国からの一層の関税率引き下げ要求等が懸念され、来るべき21世紀において、農業・農村の持続的な発展が図られ、国民の安全で豊かな暮らしを確保していくことができるのか、大変危惧されるところである。
 よって、政府におかれては、WTO農業交渉において、食料輸入国と輸出国、先進国と開発途上国のいずれにとっても公平で、かつ真に公正な貿易ルールの確立を図ることとし、特に我が国の主張である農業が持つ多面的機能や食料の安全保障の重要性などに十分配慮された農業協定となるよう、毅然とした態度で臨むことを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成12年7月6日

福岡県議会議長  藤田 茂令

内閣総理大臣  森 喜朗 殿
外務大臣      河野 洋平 殿