デポジット制度の導入検討を求める意見書(平成11年2月23日)
ますます深刻化するごみ問題の解決に向け、「容器包装リサイクル法」が平成9年4月に施行された。平成12年度には、さらに対象となる容器包装が追加されることになっている。この法律で、事業者による容器包装廃棄物の再商品化責任が新たに打ち出され、リサイクル社会への一歩になるものと期待されている。
現在、容器包装廃棄物の一般廃棄物に占める割合は容積比で約6割、重量比で約2、3割、一般廃棄物の最終処分場の受け入れは全国でも8年で限界を迎えると言われ、極めて厳しい状況にある。
こうした状況を打開するためには、生産、流通、消費、再生の各段階を抜本的に見直し、ごみの排出抑制や再商品化のためのメカニズムを社会経済システムの中に組み込んだ社会、いわゆる資源循環型社会の構築に向けて施策を講じなければならない。
また、本県では、ごみ回収の有料化が進む中で、遠賀川流域を初め県内河川において不当な投棄がなされ、最近では目に余るものがある。
こうした投棄の防止や容器包装廃棄物の排出抑制を図り、国民の協力を促進するためには、デポジット制度の導入も一つの方策と考えられる。この制度は、高い回収率やリターナブル容器への誘導が期待できるなどの利点があり、また、事業者自己回収を促進する上でも有効な手段と考えられる。しかし、地域を限定した導入は、デポジットの対象商品であるか否かを識別する必要が生じる等の課題がある。
よって、政府におかれては、全国的な「デポジット制度」の導入について、早期に制度化のための検討を進められるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定に基づき、意見書を提出する。
平成11年2月23日
福岡県議会議長 板橋 元昭
内閣総理大臣 小渕 恵三 殿
厚生大臣 宮下 創平 殿
通商産業大臣 与謝野 馨 殿