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労働基準法改正に関する意見書(平成10年6月29日)

 労働基準法改正は第140回通常国会に提出され、与野党間で修正作業が継続されてきたが、衆議院では継続審議となった。
 今回の法改正は、企画・立案部門など裁量労働制の対象職種の拡大、変形労働時間の要件緩和、有期雇用契約の雇用延長などを柱とするものである。
 このことは、経済のグローバル化に伴う国内経済の構造変化による規制緩和の流れと、労働者の働き方の多様性に対応するものであるが、一方で労働基準法の精神である「労働者の権利保護」を弱めることにつながり、長時間労働や過密労働等による労働者の健康破壊にもつながりかねない。
 さらに、現実に多くの家族的責任を担いつつ、家庭と職業生活の両立を図っている女性労働者の家庭生活への影響が大きくなると指摘されている。
 労働基準法は、1947年(昭和22年)に制定されて以来50年間、働く人々の権利を守ってきた。その法の改正に当たっては、今日の雇用、経済状況に対応しながらも、男女ともに充実した職業生活と家庭生活を営むことのできる労働条件と、環境整備の観点に立ったルールの確立が求められている。
 よって本議会は政府に対して、法改正に当たっては労働基準法の精神を損なわず、働くルールを確立できる労働基準法の改正を行うよう、強く要請する。

 以上、地方自治法第99条第2項の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成10年6月29日

福岡県議会議長  板橋 元昭

内閣総理大臣  橋本 竜太郎 殿
労働大臣     伊吹 文明 殿