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子宮頸がん対策の強化を求める意見書

 「マザーキラー」として知られる子宮頸がんは、20~40代の若年女性に発症することが多く、我が国では毎年およそ1万人が罹患し約2,800人が死亡している。子宮頸がんの95%以上はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因であり、ほとんどが性交渉によって感染した後に、前がん病変を経てがん化する。
 対象年齢の女性がHPVワクチンの接種を受ければ高い予防効果があることが知られており、2013年4月からは、HPVワクチンの接種が予防接種法に基づき定期接種化された。しかし、HPVワクチン接種後に重い副反応を疑う症状の報告が相次いだため、同年6月には厚生労働省が積極的な接種勧奨の差し控えを勧告し、「速やかに専門家による評価を行い、積極的な勧奨の再開の是非を改めて判断する」としたが、現在まで明確な方針は示されていない。
 このことにより、HPVワクチン接種率は積極的接種勧奨の差し控え勧告以前の約70%から0.6%にまで落ち込んでいる。さらに、国内の子宮頸がん検診の受診率は、40%前後にとどまっている。
 子宮頸がんから女性の命を守るため、副反応被害の徹底した検証を進めると同時に、検診率向上に向けた対策の強化が求められる。
 よって、国におかれては、子宮頸がんの予防及び早期発見を推進するため、次の事項に取り組まれるよう強く要望する。
1 HPVワクチンの予防接種に係る副反応について、専門家による評価を早急に実施し明確な方針を示すとともに、正しい情報の発信強化を図ること
2 子宮頸がんに対する知識と子宮頸がん検診の広報を更に強化するなど、検診受診率の向上を図ること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和3年3月24日

福岡県議会議長 吉松 源昭  

衆議院議長  大島理森 殿
参議院議長  山東昭子 殿
内閣総理大臣 菅 義偉 殿
財務大臣   麻生太郎 殿
総務大臣   武田良太 殿
厚生労働大臣 田村憲久 殿
内閣官房長官 加藤勝信 殿