平成21年2月定例会の概要
2月定例会は、2月24日に招集され、3月26日まで31日間の会期で審議が行われました。
提出議案と審議内容
今定例会には、県政運営の基本となる一般会計1兆5,892億400万円余、特別会計4,054億4,900万円余、企業会計90億100万円余からなる平成21年度当初予算議案20件、「福岡県青少年健全育成条例の一部を改正する条例の制定」などの条例議案24件、契約の締結に関する議案2件、経費負担に関する議案2件、その他の議案7件、合計55件の議案が提出されました。
さらに、平成20年度補正予算議案14件、条例議案3件、経費負担に関する議案11件、人事案件に関する議案3件が追加提出されました。
審議に当たっては、行財政問題、雇用問題、商工問題、農林水産問題、交通問題、教育問題など県政全般にわたり活発な論議が交わされました。
主な代表質問と答弁
主な代表質問と答弁の要旨は次のとおりです。
Q.出先機関の見直しによる住民サービスの維持向上と今後の進め方は?
A.出先機関の見直しに当たり、支所の設置による現地対応が必要な業務の実施、分庁舎を活用した受付窓口の設置などにより、住民サービスの確保について万全を期す。管轄区域、業務内容などについては、県民、関係市町村・機関・団体に十分な周知を行い、業務が引き続き円滑に行われるよう努める。(知事)
Q.来年度の税収見込みは?
A.今年度の税収動向を基に、主要な経済指標、法人に対する聞き取り調査など県内の状況をふまえて見込んでいる。その結果、ほぼすべての税目において前年度の当初予算を下回ると見込んでいる。主力の法人事業税については、本県の税収構成では製造業の占める割合が比較的小さいため、全国に比べると減収は小さいものとなっている。(知事)
Q.今後の経済見通しは?
A.日本経済は、現在急激な輸出不振に見舞われており、これに対応した在庫調整については、進展のきざしを見せている。しかし、依然として生産水準の落ち込みが続くと見られ、また株価の低迷や輸出不振などもあり、厳しい状況にある。本県においても景気の悪化はさらに進むと考えざるを得ない状況にある。(知事)
Q.雇用重点分野と雇用創出効果は?
A.農業分野では、高齢化の進展により農作業に従事する人が減っているが、基金事業による直接的な雇用の創出、新規就農者の育成などにより今後数年間で約1,000人程度の参入を見込んでいる。福祉介護分野では、人材不足の状況であり、基金事業、職業訓練の大幅な拡大により1,000人を超える雇用の創出を目指す。新生活産業分野でも人材の移転を進めて600人余の就職を支援したい。安全・保安の分野では若年者就職支援事業を中心に、積極的に人材の移転を進めていく。(知事)
Q.自動車産業の現状と今後の展望は?
A.自動車産業は大幅な減産調整が続いているが、世界には9億台の自動車があり、この買換需要に加えて、新興国ではモータリゼーションが進展していく。さらに、電気自動車、水素燃料電池車などの次世代の環境対応車も新たな需要が期待できる。自動車は、環境・安全・情報面などで進化を続ける技術革新型の製品であるから、自動車産業は今後も成長する産業であると考えている。(知事)
Q.耕作放棄地の状況と活用は?
A.高齢化の進展に伴い経営規模を縮小する農家が多い地域、中山間地域など生産条件が非常に厳しい地域に発生している。この耕作放棄地を農業利用するためには、交付金を活用し、草刈り、整地などを行い、農地として復元し、担い手への農作業の集約化を進める。中山間地域など集約が難しいところは、電気牧柵、給水器などの放牧に必要な機材の整備を進めて、放牧地として利用を図っていく。(知事)
Q.九州新幹線負担金の増額分を予算計上しない理由及び開業に向けての決意は?
A.現在の本県の厳しい財政状況に照らして、たいへん大きな額であり、国と十分な調整が必要であると考えて、計上していない。増額分については、地方の負担を軽減することができるような新しい枠組みを国に要望し、今後とも、佐賀県・熊本県と連携を図りながら、増額分についての新しい措置が講じられるよう国に強く要望していく。全線開業は九州全体の発展浮揚に寄与するので、平成23年春開業に向けて全力を挙げて取り組む。(知事)
Q.小中学校での携帯電話の取り扱いは?
A.従来から学校へ不必要な物を持ち込まないよう指導してきた。児童生徒に携帯電話等の危険性を理解させることも必要であるから、今後、県内の公立小中学校で、携帯電話等での誹謗中傷やいじめ防止等に関し、必要に応じて専門家も活用しつつ学習活動を進めること等により、情報モラル教育の充実を図り、児童生徒の健全育成に努める。(教育長)
審議の結果
提出された議案86件については、いずれも原案のとおり可決または同意されました。
また、知事から福岡空港の過密化対策として滑走路増設の早期着手、新空港の調査研究について並びに北九州空港の活用強化について発言がありました。
このほか、可決された意見書は次のとおりです。
可決された意見書
- 公務員獣医師の確保に関する意見書
- 緊急雇用対策の充実を求める意見書
- 「緑の社会」への構造改革を求める意見書
- 訪問看護事業の拡充を求める意見書
予算特別委員会の概要
2月定例会において、予算特別委員会が設置され、付託された平成21年度一般会計予算など20件の当初予算議案の審査が行われました。
審査の概要
審査の過程では、世界的金融危機による急激な経済悪化への対策、県民の保健福祉、農林業の振興、教育問題、財政問題など多岐にわたって質疑、要望がなされました。
審査の結果
議案審査終了後、採決の結果、いずれの議案も起立多数をもって原案のとおり可決されました。
なお、同委員会の構成メンバーは次のとおりです。
◎後藤 元秀 | ○清田 信治 | 井上 明 | 塩川 秀敏 |
十中 大雅 | 井上 順吾 | 江藤 秀之 | 月形 祐二 |
前田 宏三 | 大家 敏志 | 渡辺 英幸 | 長 裕海 |
井上 忠敏 | 佐藤 正夫 | 今林 久 | 中村 明彦 |
岸本 善成 | 泉 日出夫 | 野村 陽一 | 原田 博史 |
守谷 正人 | 川崎 俊丸 | 冨原 茂昭 | 高橋 雅成 |
二宮 眞盛 | 上岡 孝生 | 森下 博司 | 砂山 惣吉 |
出利葉 史郎 | 山田 勝智 | 高橋 義治 | |
(◎は委員長、○は副委員長) |