平成12年6月定例会の概要
6月定例会は、6月19日に招集され、7月6日まで18日間の会期で審議が行われました。
提出議案と審議内容
今定例会には、当初「低開発地域工業開発地区、過疎地域、産炭地域、農村地域工業等導入地区及び離島振興対策実施地域に対する福岡県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例」案などの条例議案7件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案8件、工事請負契約の締結に関する議案4件及びその他の議案1件の合計20件の議案が提出されました。さらに、教育委員会委員の任命についての人事案件1件が追加提出されました。
審議に当たっては、財政問題、介護保険制度、環境問題、農政問題、警察問題、教育問題など県政全般にわたり活発な論議が交わされました。
主な代表質問と答弁
主な代表質問と答弁の要旨は次のとおりです。
(1)県独自財源確保の問題について
-本年4月に県庁内に設置した税制研究会において、産業廃棄物や自動車税のグリーン化に関連する環境保全や青少年の国際交流などを推進する観点からの税の構想などを研究している。(知事)
(2)介護保険制度の施行状況、自立認定者への対応について
-介護保険制度については、支障なくサービスの提供が行われており、特別大きな混乱はなく、概ね円滑な制度の導入が図られたものと考えている。 自立認定者への支援策としては、介護の予防あるいは生活支援事業が創設され、市町村への事業取組指導の結果、配食サービスは81の市町村で、生きがいデイサービス、ホームヘルパー派遣事業は全市町村で取り組まれている。(知事)
(3)自動車排出ガス問題について
-庁内を横断的に組織する「自動車交通環境問題研究会」において、自動車交通公害対策、総合交通政策、税制のそれぞれの観点から具体的な自動車環境対策について検討を進める。(知事)
(4)青少年アンビシャス運動の現状と今後の展開について
-「青少年アンビシャス運動100人委員会」を組織しており、その総合部会と4つの地域部会において、「豊かな心、幅広い視野、それぞれの志を持つたくましい青少年」を育成するための具体的な運動について活発な議論が行われている。今後もこれを推進し、出された意見の中で、来年度からは具体的に実施できるものを選び出し、順次実施に移していきたい。(知事)
(5)県立高等学校の再編整備基本計画について
-県立高等学校再編整備基本計画の第1次実施計画として、平成17年度までに現行の県立高校111校を98校程度とする方針である。(教育長)
(6)少年の暴走についての原因と対策について
-少年自身の規範意識の欠如、家庭や地域社会の教育機能や非行防止機能の低下などが大きな要因ではないかと認識しており、県警察としては、非行実態に的確に対処するとともに、重大な非行を犯した少年に対しては、明確に反省を促すことを念頭に厳正な捜査を推進している。(警察本部長)
(7)県警察の情報公開について
-県警察を情報公開の対象とすることについて、本年度中をめどに条例の改正に向けて取り組んでいく。(知事)
-情報公開の実施に向けて、犯罪捜査に関するものなど警察の有する情報の特殊性に配慮しつつ、必要な仕組みや手続きについて、関係部局と協議、検討を進める。(警察本部長)
審議の結果
提案された議案21件は、いずれも原案のとおり可決されました。
このほか、可決された意見書及び採択された請願は次のとおりです。
可決された意見書
- 青少年の健全育成に関する意見書
- 義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書
- 第7次義務教育諸学校教職員配置改善計画及び第6次高等学校教職員配置改善計画の充実を求める意見書
- WTO農業交渉に関する意見書
- 農業者年金制度の見直しに関する意見書
- 私学助成の拡充に関する意見書
採択された請願
- 私立学校に対する国庫補助制度の強化継続と財政支援の拡充強化に関する請願
- WTO農業交渉並びに年金改革等に関する請願