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福岡県議会議員提案政策条例検討会議 基調講演「One Healthの歩みと展望」が開催

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態措置の協力要請期間終了後の対応について知事へ申し入れを行いました1

 今、世界では、人と動物の共通感染症(人獣共通感染症)である新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、近年、様々な人獣共通感染症が各地で相次いで流行し、今後も、再発や新たな感染症の発生・流行が危惧されています。私たちは、こうした感染症から人々の生命と健康を守り、その生活と経済への影響を最小とするための備えを充実・強化していかなければなりません。
 そこで、福岡県議会では、令和2年6月定例会において「人獣共通感染症への対応力の強化に関する決議」を議決しました。
 この決議は、人と動物の健康と環境の保全は密接に関連し合う一体のものであるとの「ワンヘルス」の理念の下に、世界的に医学や獣医学の分野を超えた感染症対策の取組が始まっていることを踏まえ、県議会としても、条例の制定を含めワンヘルスを実践する仕組みの構築に取り組むことなどを宣言したものです。
 同決議に基づき、福岡県議会議員提案政策条例検討会議は、早速、「ワンヘルス実践の仕組みに関する条例」制定の取組に着手し、まず、その端緒として、令和2年7月22日、アジア各国が連携した人獣共通感染症対策を提言している九州の自立を考える会の会長であり、また、公益社団法人日本獣医師会の会長でもある藏内勇夫議員による「One Healthの歩みと展望」と題しての基調講演が行われました。
 講演に先立ち、吉松源昭議長は、「ワンヘルスは今回取り組む条例の柱となる理念であり、その目的は、動物に由来する人獣共通感染症に強い社会づくりです。本日の講演により『ワンヘルスに関する基本的な理解』と『その実践の仕組みづくりに関する指針』を得られると思います。令和2年6月定例会で、人獣共通感染症への対応力を高めるため、防疫対策、研究等の拠点となるセンター機能の九州への誘致が決議されましたが、私としても、その実現に取り組んでまいります」と挨拶しました。
 藏内会長は、まず人獣共通感染症の歴史をひも解き、「ワンヘルス」の理念の確立やその実践の重要性が世界共通の認識となった経緯の説明に続いて世界の医師会と獣医師会が注目する日本医師会と日本獣医師会連携による取組を紹介され、動物衛生研究関連部門の充実と体制強化が必要な理由等も解説されました。大変分かりやすい基調講演で、受講者からは、新型コロナウイルスや今後大流行が危惧されている豚インフルエンザについても基本的なことから大変良く理解できたとの声が多く上がりました。
 また、質疑応答では、世界各国の医師会と獣医師会の連携状況、ワンヘルスの実践に向けた県内民間団体の取組、ペットの飼い主は新型コロナウイルス対策をどのように行えばよいかについての質問に対して丁寧な回答がありました。
 福岡県議会では、ワンヘルス推進条例(仮)の制定、更にはアジア防疫センターの誘致に向け、専門家のご意見を踏まえながら、鋭意、取り組んでまいります。


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