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基金残高と関連付けての地方交付税の削減を行わないことを求める意見書

 本年5月、政府の経済財政諮問会議は、地方行財政改革について議論を行い、その中で、全国の地方自治体の基金残高の総額が、2005年度の13.1兆円から、2015年度には21兆円に膨らんでいることについて問題提起が行われた。この議論などを受け、安倍総理は、基金残高も含めた地方財政状況の調査を総務省に指示した。
 しかし、地方自治体は、国と異なり、地方債の発行権限が限定されていることから、大規模災害や経済不況による税収減など、不測の事態により生じる財源不足については、基金の取崩し等により収支均衡を図らざるを得ない。このため、国を大きく上回る行財政改革や歳出抑制の努力を行う中で、財政の年度間調整に必要な基金を確保しているものである。
 なおかつ、県や市町村など各地方自治体においては、地域の実情を踏まえて、各々の責任と判断で財政運営を行っているが、地方交付税が法定率の引き上げによる制度本来の運用が行われないまま、毎年度、臨時財政対策債などの財源手当てがなされるなど、財政運営上の予見が困難な状況の下、地方自治体自らが基金の積み立て等により年度間調整をせざるを得ない。
 そのため、地方六団体は5月31日に、全国知事会は7月28日に、国に対して、地域の実情を考慮しないまま、地方の基金残高が増加していることをもって、地方財政に余裕があるかのような議論は妥当ではなく、断じて容認することはできない旨の提言をしてきた経緯がある。
 よって、政府におかれては、地方自治体の基金残高と関連付けた地方交付税の削減を行わないことを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成29年9月28日

福岡県議会議長 樋口明

 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 総務大臣 野田聖子 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿