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ドクターヘリの安定・持続的運用への支援強化を求める意見書

 ドクターヘリは、道路事情に関係なく医師や看護師を乗せて時速200キロで現場に急行し、患者を機内で治療しながら医療機関に搬送できる。2001年の本格運航以来、これまで全国44道府県に54機が配備されている。搬送件数も年々増加し、2019年度には2万7千件を超えた。2020年7月に九州地方を襲った豪雨災害でも出動しており、「空飛ぶ治療室」の役割は着実に増加している。
 一方、ドクターヘリの要請・出動件数の増加に伴い、運航経費と公的支援との間に乖離が生じている。出動件数の増加は、整備費や燃料代、さらにはスタッフの人件費などの経費増に直結するため、事業者の財政的な負担は年々重くなっている。ドクターヘリの運航にかかる費用の多くは国の補助金などで手当てしているが、追い付いている状況にない。
よって、国におかれては、ドクターヘリが、今後も救命救急の切り札として、安定的かつ持続的な運用の下、引き続き多くの人命救助に貢献できるよう、次の事項について早急に取り組むことを強く求める。
1 ドクターヘリ運航にかかる必要経費増加の実態をはじめ、地域ごとの年間飛行回数や時間の違いを的確に把握し、適正かつ効率的な運用に見合う補助金の基準額を設定すること
2 消費税の増税に伴い運航事業者の財政的な負担が増大した現状を踏まえた適切な補助金基準額の改善および予算措置を図ること
3 ドクターヘリ運航の待機時間や飛行前後の点検時間を含めた操縦士などスタッフの勤務実態を的確に把握するとともに、適正な労働環境の確保を図ること
4 ドクターヘリ機体の突発的な不具合時における、代替機の提供や運航経費の減額などにより、運航事業者に財政的負担が生じており、運航事業者が安全基準に基づいた代替機提供責務を果たせるよう、補助基準額の適正化を図ること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 令和3年12月20日

福岡県議会議長 秋 田 章 二   

衆議院議長   細 田 博 之 殿
参議院議長   山 東 昭 子 殿
内閣総理大臣  岸 田 文 雄 殿
総務大臣    金 子 恭 之 殿
財務大臣    鈴 木 俊 一 殿
厚生労働大臣  後 藤 茂 之 殿