トップページ > 本会議の情報 > 平成30年12月定例会 > 犯罪被害者等の損害回復のため制度改善を求める意見書

犯罪被害者等の損害回復のため制度改善を求める意見書

 犯罪被害者等は、犯罪等により、生命を奪われ、家族を失い、傷害を負わされ、財産を奪われるといった損害に加え、高額な医療費の負担や収入の途絶等により、経済的に困窮することが少なくない。
 もとより、犯罪等により犯罪被害者等に生じた損害について、第一義的責任を負うのは加害者であるが、犯罪被害者等が損害賠償請求訴訟の判決等債務名義を得たにもかかわらず、加害者の支払い意思や能力がないことなどにより、加害者から十分な賠償を受けられない場合が多い。
 こうした状況の下、損害賠償の未回収分については、10年を経過すれば消滅時効にかかるため、再提訴をする必要があるが、損害賠償請求額によっては、申立手数料が高額となり、犯罪被害者等にとっては経済的負担が大きい。
 このため、本県では、今年3月、議員提案により福岡県犯罪被害者等支援条例を制定し、損害賠償請求訴訟に関する援助等の施策を盛り込んだところである。
 しかし、これは本来、国が責任を持ち、全国的な制度運用として対応するべきである。
 よって、国におかれては、こうした課題を解決し、犯罪被害者等が被害から回復し、社会の中で再び平穏な生活を営むことができるよう、次期犯罪被害者等基本計画の策定に向けて次の事項について適切に対策を講じるよう強く求める。
1 犯罪被害者等が行う損害賠償請求訴訟の再提訴時における申立手数料の負担軽減や消滅時効期間の伸長を図ること
2 加害者の損害賠償責任の実現に向けて、その他必要な対策を講じること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成30年12月20日

福岡県議会議長 井上順吾

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 伊達忠一 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 法務大臣 山下貴司 殿
 厚生労働大臣 根本匠 殿
 国家公安委員会委員長 山本順三 殿