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視覚障がい者の同行援護サービス利用拡大等を求める意見書

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)では、視覚障がい者の生活を支える仕組みとして「同行援護」というサービスが定められている。このサービスは、視覚障がい者が外出する際に同行し、移動の援護等の外出支援を行うものであるが、居宅における生活を支えるサービスという位置付けであり、支援の対象者が居宅で生活を営む者に限られている。
 このことから、障がい者支援施設に入所している視覚障がい者が、個人的な用件で外出する際には特別な支援の仕組みがなく、施設スタッフの勤務の調整がつく範囲での支援に頼らざるを得ない。このため、墓参りや祭事にも参加できないなど、外出や外泊が著しく制限されている。
 障害者総合支援法では、「全ての障害者が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること」などが基本理念としてうたわれている。また、日本が平成26年に批准した障害者の権利に関する条約では、一般原則として「固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び個人の自立の尊重、機会の均等、施設及びサービス等の利用の容易さ」などが定められている。
 このことを鑑みれば、施設入所者に対する支援の仕組みがない現制度は、視覚障がい者に対する合理的な配慮に欠けた制度になっていると言わざるを得ない。
 よって、国におかれては、施設に入所している視覚障がい者も「同行援護」のサービスを利用できる制度とするなど、施設入所の視覚障がい者が外出等活動しやすい仕組みを創設されるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成30年6月25日

福岡県議会議長 井上順吾

 衆議院議長 大島理森 殿
 参議院議長 伊達忠一 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 厚生労働大臣 加藤勝信 殿