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食品ロス削減に向けての取組を進める意見書

 食料は世界中の人々にとって大事な限りある資源である。世界では全人類が生きるのに十分な量の食べ物が生産されているにもかかわらず、その3分の1は無駄に捨てられている。中でも、もったいないのは、まだ食べられる状態なのに捨てられてしまう食品ロスである。農林水産省によると、日本では年間2797万トンの食品廃棄物等が発生しており、このうちの632万トンが食品ロスと推計されている。
 食品ロスの半分は事業者の流通・販売の過程の中で起き、もう半分は家庭での過剰除去や食べ残し、賞味期限前の廃棄などで発生している。削減には、事業者による取組とともに、国民の食品ロスに対する意識啓発も問われてくる。
 よって、政府におかれては、国、地方公共団体、国民、事業者が一体となって食品ロス削減に向けての取組を進めるため、次の事項について早急に取り組むことを強く求める。
1 食品ロス削減に向けて、削減目標や基本計画を策定するとともに、食品ロス削減推進本部の設置や担当大臣を明確化すること
2 加工食品等の食品ロスを削減するため、需要予測の精度向上により過剰生産の改善を図るとともに、商慣習の見直しに取り組む事業者の拡大を推進すること
3 飲食店での食品ロス削減に向けて、食べ切れる分量のメニューや量より質を重視したメニューの充実を推進するとともに、「飲食店で残さず食べる運動」など好事例を全国に展開すること
4 家庭における食品在庫の適切な管理や食材の有効活用などについて普及啓発を強化すること。また、学校等における食育・環境教育など、食品ロス削減に効果が見られた好事例を全国的に展開すること
5 フードバンクや子ども食堂などの取組を全国的に拡大し、未利用食品を必要とする人に届ける仕組みを確立すること。さらに、災害時にフードバンク等の活用を進めるため、被災地とのマッチングなど必要な支援を行うこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成28年6月21日

福岡県議会議長 中尾正幸

 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 文部科学大臣 馳浩 殿
 厚生労働大臣 塩崎恭久 殿
 農林水産大臣 森山裕 殿
 経済産業大臣 林幹雄 殿
 環境大臣 丸川珠代 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿
 内閣府特命担当大臣 河野太郎 殿