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性暴力被害者支援の拡充と性犯罪の厳罰化を求める意見書

 本県では、強姦罪等の性犯罪の認知件数が近年500件前後で推移し、人口10万人あたりの発生件数が、平成22年から昨年まで5年連続で全国ワースト2位と極めて憂慮すべき状況にある。
 性犯罪は、「魂の殺人」とも言われ、被害者に多大なる肉体的及び精神的なダメージを与え、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する犯罪である。内閣府は、平成24年度版の「犯罪被害者白書」において、「性犯罪被害者のための総合的支援としてのワンストップ支援センター」を全国各地に設置することを提唱し、本県を含む半数近い都道府県において既に設置済みである。
 また、性暴力の被害者に対しては、救急医療的な対応や証拠の採取等のため被害直後からの総合的支援が必要であるが、多くのワンストップ支援センターでは24時間対応できる体制をとれていない現状にある。
 本年11月には、法制審議会において性犯罪の厳罰化に向けた刑法改正について議論が始まった。加害者を適切に処罰することは予防の見地からも重要であり、性犯罪の罰則や抜本的な性暴力対策の強化等について、性暴力の実態に即した適切な見直しが求められている。
 よって、政府におかれては、性暴力被害者支援の拡充と性暴力対策のため、次の措置を早急に講じるよう強く要望する。
1 ワンストップ支援センター未設置の都道府県に対して、予算措置を含め支援するとともに、既に設置済みの都道府県については、24時間対応の相談や支援が可能な体制がとれるよう支援すること
2 子どもを含む性暴力被害者の心身の回復とともに被害者の泣き寝入りを防ぐため、性暴力被害等について相談ができる覚えやすい3桁の全国共通電話番号を早急に設置すること
3 性犯罪の厳罰化に向け、性犯罪の法定刑の見直しや強姦罪における暴行脅迫要件の緩和等、刑法強姦罪の適切な見直しを行うとともに、刑事手続きにおける被害者の負担を可能な限り軽減する方策を検討すること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成27年12月18日

福岡県議会議長 井上忠敏

 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 法務大臣 岩城光英 殿
 内閣官房長官 菅義偉 殿