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平成26年産米の価格下落等に関する意見書

 今般、高い在庫水準や解消されない過剰作付、作況などを背景として米の相対取引価格は大幅に下落するなど、米の需給は緩和基調で推移している。
 平成26年産米の価格下落と米の直接支払交付金の減額は、農地の集積を進めてきた大規模な担い手ほど被る影響は大きく、所得倍増を目指す新たな農業・農村政策の実効性が早くも心配される事態となっている。
 こうした状況の中、農林水産省は本年11月14日に「平成26年産米等への対応について」を決定したものの、政府は需給調整のための市場からの米の買入は行わず、収入減収影響緩和対策(ナラシ対策)のみで対応する方針を示しているが、ナラシ対策では、長期的に米価が下落している状況下において十分な補塡金を交付できない可能性が高いこと、さらに万全なセーフティネット対策が欠如しているなど、担い手が意欲を持って営農を継続していく制度設計になっているとは言い難い状況にある。
 このため、本県においては、概算金の大幅な下落や収量低下により減収となった稲作経営者の経営を維持安定させるために県独自で「稲作経営緊急対策資金」を先に創設したところであるが、直面するこの難局を乗り越え、わが国が誇る水田農業を将来に継承していくためには、さらなる支援策が必要である。
 よって、国におかれては、次の対策を講じるよう強く求めるものである。
1 ナラシ対策については、今後の米価動向等を踏まえつつ補塡対象や割合の拡大、算定期間の拡大などの制度の改善を行うこと。さらに、政府が創設を目指す収入保険制度を含めて、継続的な米価下落に耐えうる万全なセーフティネット対策を講じること
2 飼料用米の大幅な生産拡大の取組を後押しするよう、水田活用の直接支払交付金の万全な予算を確保するとともに、生産者が長期的に安心して飼料用米等の生産に取り組むことができるよう、新たな食料・農業・農村基本計画に長期的かつ継続的な支援を明記すること
3 30年産目途の生産調整の見直しに向け、国や関係者の役割など米政策の見直しに十分な検証を行うとともに、水稲に加え、麦・大豆の作付けを行い、水田のフル活用が進むよう対策を講じるとともに、国を挙げて主食用米の消費拡大対策に取り組むこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成26年12月18日

福岡県議会議長 加地邦雄 

 衆議院議長      殿
 参議院議長 山崎正昭 殿
 内閣総理大臣 安倍晋三 殿
 財務大臣 麻生太郎 殿
 農林水産大臣 西川公也 殿