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多剤耐性菌対策の整備を求める意見書(平成22年10月8日)

 多剤耐性菌の問題については、昨今の多剤耐性アシネトバクター属菌による院内感染に端を発し、海外帰国後の入院患者から、国内で初めてNDM―1産生多剤耐性菌が確認されるなど、今後、新たな多剤耐性菌が国内・市中へ広がることが懸念されている。
 特に、新たな多剤耐性菌は、ほとんどの抗生物質が無効とされ、人の腸管に常在する大腸菌等が耐性化したものであることから、国内でこれらの菌が拡散することとなれば、病院内のみならず、市中で暮らす人々に対しても、健康を脅かすおそれがある。
 一方で、これら多剤耐性菌の発生状況を把握・監視する体制は、感染症法に基づく発生動向調査や厚生労働省院内感染対策サーベイランスがあるものの、当該耐性菌は調査対象に含まれていない上、対象施設が、200床以上で参加を希望する医療機関いわゆる大病院に限られており、健康上脅威となる多剤耐性菌の発生状況を把握・監視する体制は充分ではない。
 よって、政府におかれては、対象施設の要件を見直し、広く情報を収集するための仕組みづくりを行うなど、早急にこれら多剤耐性菌の発生状況を把握・監視する体制を整備するとともに、新抗菌薬の早急なる開発を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

  平成22年10月8日

 

  福岡県議会議長 田中 秀子   

 

内閣総理大臣 菅 直人 殿
厚生労働大臣 細川 律夫 殿