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永住外国人の地方参政権に関する意見書(平成22年3月26日)

 地方公共団体は、我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであり、特に安全保障や教育など、国家の存立に関わる事柄にも深く関与していることは、論をまたないところである。
 こうした中、政府・与党では、永住外国人に対して地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等(以下「地方参政権」という。)を付与する法案を検討している。
 我が国には、永住外国人が約91万人生活している。このため、これまでも永住外国人に対する地方参政権の付与について議論されてきたことは確かである。
 日本国憲法は、第15条第1項において、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と明確に規定している。
 一方、第93条第2項において、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と規定し、「国民」と「住民」が使い分けされているため、地方参政権付与の根拠ともされてきた。
 しかしながら、この「住民」の解釈について、平成7年2月28日の最高裁判所判例は、「地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当」であるとし、地方参政権についても国民でなければならないことを明らかにした。
 よって、国におかれては、永住外国人に対する地方参政権付与について拙速に法案を提出することなく、国民の幅広い議論を喚起するとともに、地方の意見を十分に尊重し、慎重に対応するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成22年3月26日

福岡県議会議長 今林 久

衆議院議長     横路 孝弘 殿
参議院議長     江田 五月 殿
内閣総理大臣   鳩山 由紀夫 殿
総務大臣      原口 一博 殿
法務大臣      千葉 景子 殿
外務大臣      岡田 克也 殿