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教育予算の拡充を求める意見書(平成21年6月23日)

 子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことである。現在の社会経済不安の中で、就学援助受給者は増加し、経済的な理由による高校生の中途退学者も増えている。そのような中で、日本の子どもに関する公的支出は先進国最低レベルとなっており、諸外国並みに家計基盤の弱い家庭への子どもに係る給付拡充などの施策の実施が必要である。また、家庭の所得の違いによって、子どもたちの教育や進路に影響が出ないために、就学援助・奨学金の抜本的拡充など、公教育の基盤充実が不可欠である。
 しかしながら、義務教育費国庫負担金の負担割合が縮小されたことや地方交付税削減の影響、厳しい地方財政の状況などから自治体における教育予算の確保が困難になっており、少人数教育の推進、学校施設、旅費・教材費、就学援助・奨学金など教育条件の自治体間格差が拡がっている。
 また、文科省が平成18年度に実施した教職員の「勤務実態調査」により、月平均34時間の超勤実態が推察され、学校現場の多忙な実態は依然として改善されておらず「子どもと向き合う時間の確保」のための施策と教職員の超勤実態の改善が喫緊の課題である。
 自治体の財政力や保護者の所得の違いによって、子どもたちが受ける「教育水準」に格差があってはならない。
 よって、政府におかれては、平成22年度予算編成に当たり、下記のとおり実現されるよう強く要望する。

1.「子どもと向き合う時間の確保」を図り、きめの細かい教育の実現のための施策を実施すること
2.教育の自治体間格差を生じさせないために、義務教育費国庫負担制度を堅持すること
3.家庭の所得の違いによって子どもたちの教育や進路に影響が出ないように、就学援助制度を拡充すること。また、そのための国の予算措置を拡充すること。あわせて奨学金制度について、「貸与」から「給付」方式への検討を含め改善すること
4.学校施設整備費、教材費、図書費、旅費、学校・通学路の安全対策など、教育予算の充実のため、地方交付税を含む国の予算を拡充すること
5.教職員に人材を確保するため、教職員給与の財源の確保・充実を図り、実効ある超勤縮減対策を行うこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成21年6月23日

福岡県議会議長  今林 久

内閣総理大臣  麻生 太郎 殿
総務大臣     佐藤 勉 殿
財務大臣     与謝野 馨 殿
文部科学大臣  塩谷 立 殿