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多重債務を未然に防止し消費者保護を図るための意見書(平成18年3月27日)

 クレジットや消費者金融を利用し、返済困難に陥っているいわゆる多重債務者は、少なく見積もっても150万人から200万人に上る。また自己破産者は年間21万人を超え、経済、生活苦による自殺者も年間8,800人を突破した。
 大半の多重債務者は、債権者の厳しい取り立てを恐れて、返済のための借金を繰り返す自転車操業に陥っており、それが原因と思われる自殺、家出、犯罪なども発生している。
 こうした「多重債務社会」の背景には、低金利による資金調達とともに、利息の上限違反に刑罰を科す出資法と、民事的効力の限界となる利息を定める利息制限法の上限金利の差、いわゆる民事上無効だが刑事罰の対象とならないグレーゾーンがあり、このグレーゾーンに利率を設定し、貸し付けるという実態がある。
 この問題については、2003年に改正された出資法において、2007年1月をめどに、消費者金融の金利規制を見直すこととされている。また、今年1月の最高裁判決は、グレーゾーン金利を事実上否定しており、これから国会等での議論が本格化することが予想される。
 よって、政府におかれては、多重債務の未然防止と消費者保護を図るため、下記の事項を実現されるよう強く要望するものである。

1.少なくとも出資法第5条の上限金利を利息制限法第1条の制限金利まで引き下げること
2.貸金業の規制等に関する法律第43条の「みなし弁済」規定を廃止すること
3.多重債務者に対する相談体制を強化するとともに、クレジット、サラ金被害の未然防止のため、消費者教育の充実を図ること

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成18年3月27日

福岡県議会議長  藤田 陽三

内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
法務大臣     杉浦 正健 殿
金融担当大臣  与謝野 馨 殿