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耐震強度偽装事件の不安解消と再発防止に関する意見書(平成17年12月22日)

 今、全国各地に飛び火しているマンション、ホテル等のいわゆる耐震強度偽装事件で、本県でも既に3件の事例が明らかになっている。倒壊の危機さえ秘めた当該建築物の居住者、利用者はもちろんのこと、同様建築物で生活する多くの国民に、「うちの建物は大丈夫だろうか」と深刻な不安と心配を招いている。これはまことにゆゆしき事態である。
 建築設計事務所を初め、この事件に関与した建築主、施工主等の責任が、まず問われることはもちろんのことである。しかしながら、構造計算書等いわゆる違法な建築確認申請を見抜けなかった建築基準法における確認検査機関の責任は、民間機関のみならず、公共機関を含めて、極めて重大であると言わざるを得ない。
 よって、国におかれては、国民の不安解消のため、早急に全国の自治体とともに建築確認の再点検を実施され、住民に危険や不安が予想されるものについては、住みかえ、建てかえ等の指導、援助等、万全の措置を講じるとともに、下記事項については、緊急課題であり、建築基準法等を改正し、速やかに措置されるよう強く要望する。

1.建築確認検査制度の抜本的見直し
  国、都道府県、特定行政庁及び指定確認検査機関それぞれの責任の明確化など
2.建築士制度の見直し
  (1)建築士の資格区分の見直し(構造専門建築士制度の創設等)による責任、役割の明確化並びに独立性の確保による相互監視体制の確立
  (2)建築士に対する教育制度の充実による職業倫理の高揚など
  (3)罰則の強化、行政処分の実名公表、免許の更新による資質の確認等
3.住宅性能表示制度等の充実及び利用の推進
  性能保証制度への加入義務化、保証対象の拡大等
4.建築物の耐震改修の促進
5.現行の耐震基準に関する国民への情報提供と再検証

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成17年12月22日

福岡県議会議長  藤田 陽三

衆議院議長    河野 洋平 殿
参議院議長    扇 千景 殿
内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
総務大臣     竹中 平蔵 殿
財務大臣     谷垣 禎一 殿
国土交通大臣  北側 一雄 殿